
第3回新潟国際アニメーション映画祭が、3月20日(木・祝)に閉幕し、クロージングセレモニーが行われた。

世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として、漫画・アニメのクリエイターを数多く輩出してきた“アニメーション首都”新潟で行われる新潟国際アニメーション映画祭。
開催3年目となる今年は3月15日(土)から開催され、最終日となる3月20日には、優れたアニメーション制作スタジオに贈られる【大川博賞】、アニメーションの技術スタッフに贈られる【蕗谷虹児賞】の授賞式、そして長編コンペティション部門の授賞式が行われ、グランプリには押山清高監督の『ルックバック』が選ばれた。
井上伸一郎フェティバル・ディレクターは「今回の映画祭はコンペ作品をはじめ、さまざまな作品が見られる大変楽しい映画祭になりました。毎年参加作品のレベルがどんどん上がっていて、とてもいい映画祭に成長したと思っております。映画祭は本日で終わりますけれども、改めて新潟の皆様の温かいおもてなし、心遣いに感謝いたします」と映画祭を締め括った。

<長編コンペティション部門 受賞結果>
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■グランプリ
『ルックバック』 監督:押山清高
©藤本タツキ/集英社 ©2024「ルックバック」製作委員会
▼マヌエル・クリストバル審査員長 コメント
完璧なテンポと美しくレンダリングされたキャラクターたち。テーマの中にも、作り手にも新たな発見がある映画だ。この作品の技術、ストーリーテリング、そして成熟度を高く評価したい。この新鮮で、かつエキサイティングな監督の新作に期待が高まる。
▼押山清高監督 受賞コメント
本当に多くのアニメーター、多くのスタッフに支えられてできた映画です。近年、AIでアニメーションが作れる時代になっていくだろうというニュースをまさに『ルックバック』を作っている最中に見ました。日本のアニメ業界は、多くのクリエイター集団が日々切磋琢磨して作り上げてきたその技術力を共有し合いながら作品を生み出しています。たぶん今後こういう技術の継承みたいなものは、これまでのような形では生き残ることが難しくなるのかもしれない。『ルックバック』のように隅々まで人の手で作り上げるということは、これからの時代ますます難しくなっていくだろうという思いもあって、この作品は僕の中でも、今の時点での記念碑のような気持ちで作っていました。人の手によって生み出されるプロセス、ヒストリーなどの価値は今後ますます高まっていくだろうと思っていますので、僕もアニメをこのままなるべく長く作り続けられるといいなと思っています。