
■傾奇賞
『かたつむりのメモワール』 監督:アダム・エリオット
© Arenamedia Pty Ltd.
▼マヌエル・クリストバル審査員長 コメント
感傷に流されることなく、繊細さと共感をもって、虐待され見捨てられた二人の子どもの物語に挑んだ見事なストーリーテリング。精緻な技巧と細部へのこだわりが光る本作で、エリオット監督は力強く心を揺さぶるアニメーション寓話を生み出した。
▼アダム・エリオット監督 受賞コメント
この作品は制作に8年かかりました。過去10ヶ月、いろんな国や地域を回ってこの作品のプロモーションを続けてきました。今回が最後の映画祭にもなるので、このような形で自分の冒険を終えられたことをものすごく嬉しく思っております。この10ヶ月、いろんなところでストーリーテリングの重要さ、インディペンデントアニメーションの重要さというものを語ってきました。今アニメーション業界は脅威にさらされています。一番大きな脅威と言えるのはAIだと思いますが、私の作品の一番最後に入れている言葉が“この作品は人間の手によって作られました”という文字です。一番いいストーリー、一番いい芸術というのは人間にしか作れないと思っています。この映画祭を通して新しい若いフィルムメーカーや学生たちがどんどん作品を作り続けてくれるのでは、という希望を抱いていますし、私たち全員が団結すればアニメーション業界も強くなるかなと思っているので、強くなって喜びや心の安堵を与えられるような作品をみんなで作り続けていきたいです。
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■境界賞
『バレンティス』 監督:ジョヴァンニ・コロンブ

▼クリスティン・パヌシュカ審査員 コメント
この美しくも先見的な作品は、圧巻の音響設計とともに、精緻なグラフィック表現とともに、観る者を悲劇的な物語の世界へといざない、唯一無二の映像体験を生み出している。この独創的な映画は、大胆で、勇敢で、獰猛であり、『バレンティス』が世界中で発見され、称賛されることを願っている。
▼ジョヴァンニ・コロンブ監督 受賞コメント
とても嬉しく思っています。本当に皆さんありがとうございます。素晴らしい映画祭に来て、素晴らしい街を見て、街のいろんな優しい人たちと会って、貴重な体験で嬉しくてしょうがない気持ちです。