【思考をキレイにする旅の仕方(461)】食べ物目的から旅を作る

1年ほど旅を続けた後、好奇心が摩耗したようになり、何を見ても何を食べても感動しなくなったことがあります。

旅人の間では「旅鬱」と呼ぶらしい。

カンボジアに滞在中、1週間ほどホテルに籠り、その後、気分を変えようとインドに渡りますが、それでも変わりません。

旅を切り上げることに。

ふと帰国前に好物の麻婆豆腐を食べたいなぁと思いました。

麻婆豆腐発祥の地は、中国の四川省にある成都。

100年ほど前、この街で麻(天然痘跡)のある婆(おばさん)が作る羊肉と豆腐を使った料理が話題になり、彼女の死後、麻婆豆腐と呼ばれるようになったらしい。

私はインドから中国は成都に向かい、

ホテルに荷物を置くと、すぐ隣の食堂に入り、麻婆豆腐を頼みました。

料理の上にまぶした花椒に、ひーひー言いながらも、どんどん楽しくなっていきます。

その後、成都にあるパンダの研究所に向かい、

長距離列車の旅計画まで思いつくなど、

意欲がわきはじめました。

どうやら旅鬱から抜け出したらしい。

この旅からでしょうか。

時には食べ物目的から作る旅を考えるようになったのです。<text:イシコ>