
・スナック街
んで、館内はというと……
あまりにも昭和なスナック街だった。
「スナックアロー」「和風スナックおあしす」「ぴちぴち」「愛人」「ニューうさぎ」など、部屋の名前も看板も当時のままらしい。客室は全11室。つまり景気が良かった頃は11店舗ものスナックが営業していたということだ。
昭和の時代に愛されたスナックの名前には哀愁と爽やかさが同居している。古くて新しいとはこういう名前のことを言うのだろう。今の時代にはなかなか出せないパンチ力ではないだろうか。そのまま使うだけでムーディーな雰囲気になるのだから。
ちなみにドアに貼ってある営業許可証なども当時のまま。ドアの開け閉めはスマートロックを採用。つまり玄関と同じくパスワードで解錠する仕組みだ。昔と今、昭和と令和を自由に出入りできるドアである。
私が選んだ部屋はもちろん「愛人」。今回は楽天トラベルで大人1名1泊素泊まり4900円のプランを予約した。客室内にもスナック時代の面影は残っているのだろうか。
重厚な扉を開けてみると……
思ったよりもシンプルな客室だった。
カウンターやソファなどを取っ払って壁と床を張り替え、ベッドを置いて完成ってな感じ。一応、テーブルと冷蔵庫もある。
さすがに「スナックのまま」というわけにはいかなったか。飲みつぶれた先輩がソファで寝てしまって……みたいな “スナックあるある” は再現できない。もちろん再現できなくていいのだが。
奥にはユニットバス。完成して数年経過しているものの全体的に清潔感がある。内装だけなら元スナックとは思わないだろう。
大小タオルと歯ブラシ、スリッパ、ドライヤー付き。館内着はなし。シャンプー・コンディショナー・ボディソープも揃っている。十分だ。
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・共用スペースもレトロ
一応、部屋の外の共用スペースも紹介しておくと、謎の小上がりとカウンター、電子レンジなどがあって……
ランドリースペースと思われる場所も発見。洗濯機や乾燥機はこれから設置されるのか、または修理中という可能性も。