数あるアニメのなかにはハッピーエンドではなく、人類滅亡などバッドエンドで完結する作品があります。特に1980年代のロボットアニメには、「え、そんな終わり方?」と視聴者を驚かせた作品が放送されました。
TVアニメと同様どちらも悲しい最後となった。画像は『宇宙戦士バルディオス Blu-ray BOX』特装限定版(バンダイビジュアル)
【画像】え、頭どこ行った? こちらが『宇宙戦士バルディオス』主役ロボの飛行形態です(4枚)
誰も救われなかった伝説の最終回って?
数あるアニメのなかには主要キャラや主人公が死亡してしまい、そのまま作品が完結することもあります。特に1980年代に放送されたロボットアニメは、主人公だけでなく、世界そのものがなくなったり、人類が滅亡したりと驚きの展開が描かれました。
※この記事では『魔境伝説アクロバンチ』『伝説巨神イデオン』『宇宙戦士バルディオス』の重要な内容を含みます。ネタバレにご注意ください。
『魔境伝説アクロバンチ』
日本テレビと国際映画社で共同製作されたTVアニメ『魔境伝説アクロバンチ』は、謎の大秘宝「クワスチカ」を求めて万能探索メカ「アクロバンチ」で世界中の遺跡を巡る青年「蘭堂タツヤ」と地上への回帰を目論む地底人「ゴブリン一族」との戦いを描いたロボットアニメです。
物語終盤、敵味方の総力戦が激化するなか、タツヤたちは「クワスチカ」の核心に迫ります。そして「クワスチカ」はすべての命の源であり、人間とゴブリンは「クワスチカ」が生み出した同じ生命体だったことが明らかになりました。
最終的には、「クワスチカ」が、すべてをリセットするため地球を滅亡させます。地球が滅亡していくなか、タツヤたちは「クワスチカ」によって他の星に転生させられる悲劇の幕切れとなりました。
「全滅エンド」ならぬ「転生エンド」となった本作は、その後の主人公の所在なども語られず完結し、多くの視聴者が驚愕しました。
『伝説巨神イデオン』
富野由悠季さんが総監督を務めたロボットアニメ『伝説巨神イデオン』は、日本サンライズ制作の作品で、地球人と異星人「バッフ・クラン」が自我を持つ伝説の無限エネルギー「イデ」を巡って戦う姿が描かれます。
最終回は、主人公「ユウキ・コスモ」をはじめとする地球人とバッフ・クランが激しい戦いのすえ、両者の仲が決裂、ついに「イデ」が巨大なパワーを放出してしまいます。宇宙が光に包まれ、敵味方問わず全滅し作品は完結しました。
「イデ」は戦いをやめない両者に失望し、宇宙をリセットすることを決断したようです。唐突な展開に戸惑いを隠せない視聴者が続出しました。
その後、ファンからも熱望された劇場版『THE IDEON 接触篇』と『THE IDEON 発動篇』が公開されます。特に『発動篇』ではTV未放送分が描かれ、現在もファンの間で「伝説の最終回」と語り継がれています。
『宇宙戦士バルディオス』
『伝説巨神イデオン』と同時期に放送された『宇宙戦士バルディオス』も、「全滅エンド」アニメとして知られています。本作は、皇帝殺しの濡れ衣を着せられた主人公「マリン・レイガン」が放射能で汚染された星と地球の両者の狭間に立ちながら、合体ロボ「バルディオス」で戦う物語です。
本作の最終回「破滅への序曲」では、侵略者「アルデバロン」が地球人抹殺作戦を開始するところから始まりました。アルデバロンは、人工太陽を使って北極と南極の氷を溶かす作戦を実行し、その影響で大津波が発生します。そして、大津波で地球が水没し、30億人もの人びとが命を落とし、物語は完結するのです。
まさかの人類滅亡エンドはスポンサーの経営悪化による打ち切りだったようで、当時の視聴者からは驚きの声が出ていました。ちなみに、その後、映画化された劇場版『宇宙戦士バルディオス』では大洪水が発生、さらに50万メガトンの核兵器で地球が汚染され完結するという、より悲しい展開になっています。