
北海道小樽市にある「おたる水族館」が、「無料貸出ベビーカー2台が行方不明になった」と公式Xにポストし、話題になっている。豊かな自然に囲まれた水族館で、一体何が起きたのか? 水族館の担当者に話を聞いた。
無料貸し出しのベビーカーが2台立て続けに紛失
北海道小樽市にある「おたる水族館」。「北海道の大自然にある水族館」というキャッチコピーのとおり、ネズミイルカや多種のアザラシなど豊富な展示内容で多くの来館者が訪れているが、先日公式Xにこんなポストをして話題になっている。
「お知らせ 当館にて無料でお貸出しているベビーカーが2/4(日)と3/17(月)に2台が相次いで行方不明になりました。このような事が続きますと、今後の貸出について考えなければなりません。ご来館時、ベビーカーなどを使用された場合、正面入口へご返却をお願い致します。」
無料で貸し出しているベビーカーが、立て続けに2台も紛失したというのだ。
これに対してXでは、
「これはさすがに酷すぎるだろ」
「もう貸し出し中止になりそうな流れだな…」
「そんな事して良心痛まんのか」
など、返却しない来館者に対して批判的な声が複数あがっている。
いったい何が起きたのか。水族館の担当者に話を聞いた。
「当館で無料で貸し出しているベビーカー2台がまだ戻ってきておらず、行方不明になりました。貸し出し日は2月4日と3月17日です。戻ってくるかもしれませんし、現在のところは盗難かどうかも分からないので、警察への通報などはしていません。
当館では全部で7台ほどベビーカーを用意しており、当館で購入したものと、外郭団体から寄贈されたものがあります。購入したものは、高いものだと7万円から8万円はします」
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「外国人観光客も多く来館されます」
1台7~8万円もするベビーカーを無料で借り、返却しない来館者がいる――なんとも困惑する事態だが、この水族館にはどんな客が訪れるのか。
「客層はファミリー層の方が多く、赤ちゃん連れの方が無料ベビーカーを借りていかれます。また、外国から日本へ来られる旅行者が増えていることから、当館へも多くの外国人観光客が訪れています。昨年よりも増えた印象ですね。2月24日までの冬季営業期間は、特に外国人観光客の方が多いです。
しかし、今回の件で『特定のどこかの国のかたの仕業』などとSNSでお見掛けしますが、我々はそう思っていませんので、誤解はないようにお願いします」
そもそも、これまで同様の事案は起きていたのだろうか?
「これまでベビーカーが返却されなかったことはありませんでした。今回が初めてのースです。近い時期に、2台も立て続けに紛失するのは異例のことです。また、これ以外に目立ったマナー違反行為などは起きていませんね。もし、当館のベビーカーをお見掛けの方は、ぜひ戻していただきたいです」
水族館の善意を踏みにじるような行為はあってはならない。担当者は「記事やSNSをみてこっそりでもいいので返却お願いします」と肩を落としていた。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班