「ドラゴンクエスト」シリーズのラスボスは、世界を支配しようとし、人類を恐怖に陥れる存在です。ところが、そのラスボス自身が「怖い」と感じる相手がいるようです。
スマートフォン版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(スクウェア・エニックス)
【画像】え…スタイル抜群! コチラが見惚れるほど美しすぎる『ドラクエ4』女勇者のコスプレイヤーです(7枚)
人びとを恐怖に陥れるラスボスが恐れる存在とは?
「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する「魔王」や「大魔王」の肩書きを持つラスボスは、世界を支配しようとし、人類を恐怖に陥れる存在です。ところが、傲慢で、圧倒的な強者であるはずのラスボスが「恐怖する」相手がいます。
『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の第1章では、「バトランド」の王宮の戦士である「ライアン」が、「イムル」の村で起こった子供たちの失踪事件の調査を命じられます。子供たちをさらっていたのは「ピサロの手先」でした。魔物たちをおびやかす存在となる「勇者」の可能性があるとして、子供たちが集められていたのです。
地獄の帝王「エスターク」を滅ぼす勇者の存在を予言で知った魔族の王「ピサロ」が、敵となる相手を子供のうちに殺してしまおうと行動したわけです。魔王の城の玉座で待っている前作までのラスボスとは、明らかに様子が異なります。狡猾(こうかつ)であるとも、成長してしまったら予言通りになるのを恐れての行動ともいえます。
第5章では、ピサロ自身が魔物たちを率いて「山奥の村」を襲い、村を滅ぼし、勇者を仕留めます。しかし、その勇者は「シンシア」が「モシャス」で変身した姿でした。生き延びた勇者は、成長して予言どおりエスタークを倒し、最終的には「デスピサロ」も倒れることになります。ピサロの手先が赴いたイムルの村と、山奥の村が山脈を隔ててそう遠くない位置であることも、皮肉なことに思えます。
『ドラクエ4』の勇者が魔族や魔物たちにとって恐怖の存在である理由が、もうひとつあります。勇者に倒されたエスタークは、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のラスボスである「ミルドラース」が恐れるほどの存在なのです。
『ドラクエ5』におけるエスタークは、クリア後の「裏ボス」として登場します。リメイク版で登場する「暗黒のすごろく場」では、魔物から「この世界の地下深くにはミルドラースでさえ手が出せない大物がひそんでいるのだ」と、エスタークのことを指すと思われるセリフが聞けます。ミルドラースは主人公たちが苦しめられた「光の教団」では「神」や「大魔王」とあがめられ、自らを「魔界の王」と名乗り、「神を超えた」と発言していますが、前作の中ボスよりも劣る強さでしかないようです……。
しかも、『ドラクエ5』のボスといえば、主人公の父「パパス」の仇である「ゲマ」や、光の教団の教祖「イブール」の存在がプレイヤーに強烈な印象を与えたせいもあり、ミルドラースは「影が薄い魔王」として不名誉な評価がされてしまっています。
スマートフォン版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』:
(C)1990,2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
Developed by ArtePiazza