〈男女の賃金格差〉一部ではすでに逆転、若い世代は女性のほうが給与が高いとのデータも、立ちはだかる「子育てペナルティ」の壁

女性管理職を増やすためには

「企業では、フレックスタイムやテレワーク、成果を重視した評価制度、企業内保育所の整備に加え、育児中の従業員を支援する行動を人事評価に反映することが有効です。たとえば短時間勤務制度を利用する社員にも昇進の機会があるような成果重視の評価制度を取り入れている企業では、育児期の女性管理職が増える傾向が見られます

また個人の面では、男女が共に育児を担うという意識改革や、出産前から柔軟な働き方の中で成果を上げる経験を積むことが重要です。多様なロールモデルに触れる機会を提供し、ライフイベントと仕事の両立を見据えたキャリア形成を早期から支援していくことが求められます」

男女の賃金格差は年々小さくなっているが、これらの問題を解決しない限り、格差は残り続けるだろう。この問題に対する意識を高め、積極的な取り組みを続けることが、平等な社会を実現する第一歩となるはずだ。

取材・文/集英社オンライン編集部