
[北中米W杯アジア最終予選]日本 0-0 サウジアラビア/3月25日/埼玉スタジアム2002
北中米W杯出場を決めたバーレーン戦(2-0)から5日後の3月25日、日本はサウジアラビアと対戦。0-0で引き分け、カタールW杯のコスタリカ戦(0-1)以来、つまり第二次森保ジャパンとなってからは初めて無得点で終わった。
日本はボールポゼッションで圧倒的に上回り、ビッグチャンスも作りながら、仕留め切れず。62分に投入された伊東純也らは、状況を打開するジョーカーとしての役割が期待されたが、決定的な仕事は果たせなかった。
個人的に気になったのが、伊東の“ズレ”だ。これまで試合に出れば、必ずと言っていいほど得点に絡んできた、森保ジャパン屈指の仕事人なだけに、余計に目についた。
印象的な場面は74分だ。ゴール前の右サイドでボールを持った背番号14は、右足でクロスを送り込んだが、大きくずれ、ボールはスタンド方向へ。約6万人のサポーターで埋まった埼玉スタジアムは「あぁ」というため息に包まれた。
その後の82分に、鎌田大地の絶妙なスルーパスをペナルティエリア内で受けた際も、シュートを決めきれず。また、バーレーン戦を振り返っても、久保建英の追加点をアシストしたとはいえ、らしからぬシーンが見受けられた。
伊東は試合後、自身のクロスについて「ピンポイントで狙っているんですけど、(中にいたのが古橋)亨梧とかだったので、速いボールを入れようと思ったら、ちょっと力んじゃった感じですかね。あとは相手が近かったので、ちょっと難しいところ」と語った。
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これまで基本的に先発を担ってきたが、代表復帰後は途中出場が続いている。その点でやはり難しさがあるのか。伊東に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「クラブではこの前初めて途中出場しましたけど、少しやっぱ、途中出場の方が難しいなっていう感じはありますね。リズムは作っていくタイプなので、どちらかといったらジョーカーは苦手なので、少し慣れなきゃいけないなと思います」
所属クラブのスタッド・ドゥ・ランスは、リーグ戦15試合未勝利で、4か月半も勝点3から遠ざかっており、1部残留ラインぎりぎりの15位に低迷。非常に厳しい状況にあるなか、代表戦直前の3月16日に行なわれたブレスト戦(0-0)では、26節目にして初めてスタメンを外れた。
クラブの不調が、代表でのパフォーマンスに少なからず影響していることは間違いない。
「本当に今クラブは結構苦しい状況で、この前の試合(ブレスト戦)は今日のサウジみたいな形で勝点1を取りましたけど(笑)。なんとか勝てるように、自分がなんとかしなきゃいけない気持ちはあります。
まず今は残留争いなので、チームをしっかり(1部に)残せるように。自分が率先して結果を出すのはもちろんですけど、カップ戦も残っているので、カップ戦で良い結果を出せるようにしたいです。優勝したらヨーロッパリーグもありますし、残留してヨーロッパリーグを取れれば、苦しいシーズンでしたけど良かったと思える感じかなと思います」
32歳の仕事人は、中村敬斗と関根大輝も在籍しているS・ランスをリーグ・アン残留、そして準決勝まで勝ち残っているクープ・ドゥ・フランス(フランス杯)での優勝に導けるか。それが達成できれば、6月の代表戦で、サポーターが待ち望むイナズマを走らせる可能性はより高まる。
取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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