
今季からJ1の横浜F・マリノスで指揮を執るスティーブ・ホーランド監督。彼がイングランドのフットボール界で名を馳せたのは、2016年から24年にかけて、ガレス・サウスゲートがイングランド代表監督を務めていた頃に、そのアシスタントコーチを務めていたことがきっかけだった。
さらにさかのぼると、ホーランドがコーチとして大ブレイクを果たしたのは、1992年に選手としてのキャリアを終えた2年後、指導者としてのキャリアをスタートさせたクルー・アレクサンドラ(英4部)で、U-18のコーチに任命された時だった。当時、クルーは小さなクラブだったが、彼のユース指導の評判は非常に高かった。そこでの功績が認められ、07-08シーズンにはトップチームの監督も務めている。
クルーに17年間在籍した後、2009年にストーク・シティのアカデミーコーチを経て、チェルシーでリザーブチームの監督に就任した。
スタンフォード・ブリッジにやってきた2年後には、アンドレ・ビラス=ボアスのもとでトップチームのアシスタントコーチとなり、その後、ラファエル・ベニテス、ジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテ、フース・ヒディンクら名だたる名将たちとともに働いている。
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この時期に彼は、世界でも有数の指導者たちから戦術やコーチングの知識を学んでおり、指導者としてのキャリアに大いに役立っていることだろう。
また、アシスタントコーチとして、クラブではプレミアリーグとチャンピオンズリーグで優勝、代表チームではワールドカップでベスト4、欧州選手権で準優勝を経験している。
コーチと監督とでは役割が全く異なる。しかしこれまで、多くの監督たちから信頼を受け、指導者として欧州や国際レベルで結果を残してきたのだから、私は彼が指揮官としても何かを成し遂げることを疑っていない。日本でも成功を収めるに違いない。
現在、横浜FMはJ1で15位。やや苦戦しているかもしれないが、ホーランドのイズムがチームに浸透している最中だと思う。そして日本のような、生活面でもフットボールの面でもイングランドとは大きく異なる国での経験は、ホーランドの将来的な世界での活躍を容易にするだろう。
著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。
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