
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、昨年の弱点だったレーススタートで目覚ましい成長を遂げているとして、ランド・ノリスを称賛した。
今季のノリスは、失敗からの研究を続けた2024年とは明らかに異なっている。昨年前半の15レースで、ノリスよりスタートの成績が悪かったのはダニエル・リカルド(当時RB)だけであり、予選で速くともスタートで出遅れるケースが多かった。
そうしたミスの多くは、彼のメンタルから来るものだった。ほとんどの人々がそうであるように、ノリスも大事なレースを前に体調を崩したり緊張したりと、メンタルな部分で戦っていたのだ。
そしてノリスは、昨年の夏休みをリセット期間として使い、問題の修正に成功した。
「それをどうプラスに変えるかなんだ」
昨年、ノリスはメンタル面についてそう語った。
「どうすれば悪い影響を受けずに済むのか、どうすれば良い方向に利用できるのか、正しいことに集中できるようになるのか……過去にかなり苦労したから、今はもっといい方法で対処できていると感じている。外的なことは考えず、ただコースに出て運転すればいいんだという気楽さがある」
「今は優勝争いやチャンピオンシップ争いをしているが、正直なところまた週末がやってきたという感じだ」
2025年を迎えた今、まだスプリントを含め3レースしか消化していないが、ノリスはスタートでミスをしなくなっている。ステラ代表は、中国GP後にチームのドライバーたちを称賛した。
「2人のドライバーのスタートは素晴らしかった」
「ランドは(中国GP決勝のスタートで)ひとつポジションを上げた。オスカーはポールポジションからとても良いテイクオフをした。スタートという観点では、昨年よりも良い状況にあるようだ。この傾向を維持する必要がある」
「願わくば、グリッド前方からスタートを決めたいし、マシンのパフォーマンスを向上させたい。我々はクルマの好調を確固たるものにすることができる」
「スタートはF1で最も重要なことのひとつだから、自分たちがやっていることをチェックして、トップに立てるようにする必要がある」
2026年はレギュレーションが変更されるため、現行規則最終年となる2025年は各車のデザインも収束し、各チーム間のパフォーマンス差も縮まる傾向がある。今季のマクラーレンは少なくとも現状は最強だと評されているが、その差がひっくり返せないほど大きいわけでもない。
実際、マクラーレンは圧倒的な強さを誇っていた昨年前半のレッドブルを逆転してみせた側のチームだ。自分たちが完璧を求められていることは分かっているはず。ノリスの弱点のひとつだったスタートが改善されているのは、その点で明らかにポジティブな材料だと言えるだろう。