サントリー、自販機にピッ!で買える「ジハンピ」を全国で展開開始

 サントリービバレッジソリューションは、自販機事業でキャッシュレス化を加速すべく、独自開発した自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」対応の自販機を3月から順次、全国展開する。

●アプリでSMS認証、支払い方法連携のみで購入できる



 同サービスは、昨年12月から北海道エリアで先行展開しており、顧客や設置先から好評を得ているという。「ジハンピ」によるキャッシュレス化の推進を同社自販機事業の戦略の柱として位置づけ、2025年中に15万台の導入を目指す。

 「ジハンピ」対応自販機は、商品を選択し、アプリを起動して、自販機にスマホを“ピッ!”とタッチするだけで購入できる。名前、年齢、メールアドレスなどの情報登録は不要。SMS認証、支払い方法連携のみで、最短60秒で購入ができる。また、一度支払い方法を連携すると、毎回の支払い方法の選択も不要になる。

 PayPayやクレジットカードをはじめ13種類のマネーをジハンピアプリに連携できるので、いつも使っているマネーで支払うことができる。また、楽天ポイントなど5種類のポイントも連携可能。余っているポイントを使って飲み物を購入したり、ポイントを貯めたりすることができる。

 現在の国内の飲料自販機のキャッシュレス対応比率は、約4割と推定され、キャッシュレスが普及しているコンビニエンスストアなどと比較しても、大きく遅れている。また、同社の調査では「財布を持ち歩いていなかった」「小銭を増やしたくない」などの理由から、自販機のキャッシュレス決済が使えずに飲料の購入を諦めた経験のある人が約3割おり、自販機がキャッシュレス化をしていないことに顧客が不便を感じている実態がわかった。さらに、キャッシュレス対応している自販機でも「買い方が複雑」「手順が多く購入までに時間がかかる」といった声もあり、現状のキャッシュレス対応機への不満も見られた。

 これまで、飲料自販機のキャッシュレス対応は、決済端末費用や運用コストの負担が大きく、一定の売上規模がないと対応できない状況になっていた。今回、「ジハンピ」の独自開発により、顧客の利便性を向上すると共に、低コスト化を実現することで、25年中に15万台の自販機をキャッシュレス化することが可能となった。なお、先行展開していた北海道エリアの「ジハンピ」利用者からは「本当に早くて便利」「登録も簡単だからすぐ使える」などの好意的な声が寄せられている。

 「ジハンピ」の全国展開に向けて、「ジハンピ」アプリをダウンロードすると、「ジハンピ」対応自販機の商品の中から、好きな飲料が3本無料になるキャンペーンを実施する。また、テレビCMなど、各種コミュニケーションも順次予定している。