NHKでは数々のアニメが放送されてきましたが、なかには「これって大丈夫なの?」と感じてしまうアウトな描写があった作品もあります。グロ描写はもちろん、危険薬物を彷彿とする場面が描かれたこともありました。



『ふしぎの海のナディア』Blu-ray BOX (C)NHK・総合ビジョン (C)NHK・NEP

【画像】一瞬でも風吹いたら見えちゃうって… 寝転がるナディアを上から見下ろす

目を覆いたくなるような衝撃シーンが満載

 昨今、コンプライアンスが厳しくなっているなか、NHKであるにもかかわらず、過激なシーンが描かれたTVアニメも存在します。

 有名な作品でいえば、巨人と人類の戦いが繰り広げられるアニメ『進撃の巨人』(原作:諫山創)があげられるでしょう。巨人によって人間の命が無惨に絶たれるシーンが数多く描かれています。

 殺りく描写があった作品といえば、NHKのEテレ(教育テレビ)で放送された『不滅のあなたへ』も、人間同士の殺し合いが描かれました。同作は、不思議な存在である「フシ」の旅を描いた作品で、2021年に第1期、2022年に第2期が放送されました。

 主人公の「フシ」は、「刺激を受けた物の姿へ変化できる能力」と「死んでも再生できる能力」の持ち主です。そして、石、オオカミ、人へと姿を変えるなかでいろいろな出会い経て人間のように成長しました。そこから数十年後、「ヤノメ国」の少女「ヒサメ」と出会い、自分たちの未来を守るために立ち上がる物語です。

 第14話でフシは、凶悪殺人犯の囚人たちが集う島「ジャナンダ」で行われていた、殺し合いをする闘技大会に参加します。そもそもジャナンダは殺人が許された無法地帯で、大会の司会者が弓矢で頭部が撃ち抜かれたり、大会始動後に参加者が躊躇なく刃で相手の首を切断したりと、緊張感ただようシーンが続きます。

 そして、フシと生き残ったひとりの一騎打ちとなった際、相手が投げたオノがフシの頭に突き刺さります。ただフシは不死身なので死なず、さらに大量の刃物が突き立てられるのです。フシの苦しむ声や刃物がささる音が響くシーンは耳をふさぎたくなる惨さでした。

 最終的に闘技大会で優勝したフシは、フシたちを島に連れてきた少女「トナリ」の案内で島の散策をはじめると、途中で高いゲートから垂れ下がった首吊り死体を目の当たりにします。トナリによれば、畑の作物を盗んだことによる罰で絞首された人びとのようです。

 ほかにも、再びフシが闘技大会に参加した際、対戦相手であった戦士「バーサーカー」に腕の肉を噛みちぎられ、そのまま咀嚼されてしまいます。

 グロ描写が目立つ作品のほかに、危険薬物を想像させるようなアウトな描写が放送されたTVアニメもあります。その作品とは、1990年よりNHKで放送された『ふしぎの海のナディア』です。同作は「ブルーウォーター」と呼ばれる不思議な宝石を持つ少女「ナディア」と、発明好きの少年「ジャン」による冒険を描いたアニメです。

 問題となるエピソードは第25話「はじめてのキス」で、腐ったホウレンソウの缶詰を食べて寝込んだナディアのために、ジャンは薬草を探しに出かけます。そして、洞窟のなかで怪しい色のキノコを見つけると、キノコから奇妙な笑い声のような音が聞こえ、ジャンは誘惑に負けてキノコを食べてしまうのです。

 そして、大量に生えたキノコを食べ続けたジャンの顔色は、よどんだ色に変わり、さらに目の前に豪華な料理が見えるという幻覚も見えはじめます。顔色が悪くなったジャンが笑みを浮かべながらひたすら生えているキノコを食べ続ける、異様な光景はいまだに語り草になるほど視聴者に強烈なインパクトを与えました。