大谷翔平インスタグラムより

ドジャース・大谷翔平(30)の母校「花巻東」買収計画…米球児の野球留学を支援し、逆輸入する野球アカデミーを開校。高校野球は外国人留学生の出場が可能、“助っ人パワー”で甲子園優勝を目指す!

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東京ドームでの開幕戦のため来日したドジャースの共同オーナー、トッド・ボーリー氏は、日本経済新聞のインタビューで「日本での投資機会をうかがっている」と述べた。日本のスポーツビジネスを金融面から後押しする意向だという。

具体策は明かさなかったが、有力視されるのが巨人の新球場といわれる築地スタジアム、ヤクルトの本拠地・神宮球場の建て替え建設への投資。しかし一筋縄ではいかない事情がある。

MLBが昨年3月、傘下の全30球団に通達した日本のプロ野球(NPB)との業務提携解消の命令だ。

選手獲得の不正交渉(タンパリング)を防止するためだが、これが与えた影響は大きい。

ダイヤモンドバックス、レンジャーズと業務提携していたDeNA、日本ハムは、それぞれパートナーシップを解消。今キャンプでヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏が古巣・巨人キャンプで臨時コーチができなかったのもこのためだ。

2025年オフに巨人の岡本和真、ヤクルトの村上宗隆がポスティングシステムによるMLB移籍を希望しており、それを考えればドジャースが両球団の絡む事業へ資金提供するのは御法度である。

そんな中、本誌はセンバツ高校野球開催中の甲子園で取材するスポーツライターから、ある情報を得た。

「ドジャースが大谷翔平の母校、花巻東高校とタイアップして、ドジャースアカデミーの設立準備を進めている」というのだ。

狙いは佐々木麟太郎がたどったルート

「ドジャースがポテンシャルの高い球児を花巻東に留学させ、大谷を育てたノウハウを使って育成するラボラトリー(実験室)計画です。卒業後は日本のプロ野球ではなく、NCAA(全米大学体育協会)1部所属の米名門大に送り出す。そこで活躍すれば、MLBドラフトでドジャースが指名する。これなら日本のアマ規定、MLBの協約にも抵触しない。正規の逆輸入です」(前出・スポーツライター)昨年、花巻東で高校通算140本塁打を放ち、プロ野球から注目された佐々木麟太郎(19)は、プロ志望届を提出せず、秋に米スタンフォード大へ進学した。そのルートだ。

麟太郎は花巻東校野球部・佐々木洋監督の息子。この時期から構想が進んでいたとの情報もある。

「野球アカデミー」は、ドジャースなどMLB各球団がドミニカ共和国やベネズエラに設置し、現地の有望な若手選手を発掘育成するシステム。過去には広島カープも自前のアカデミーをドミニカに設置し、のちにヤンキースなどで活躍したソリアーノなどを入団させている。

今回の日本アカデミーは、現地での選手発掘調達ではなく、米国から好素材選手を持ち込むのが特徴。高校野球で育て、連れ戻す。

治安がよく、文武両道が可能な日本だからできるアイデアだ。

大谷、山本由伸、佐々木朗希の獲得で、日本の高校野球事情をよく知るドジャースは、他球団に先駆けて日本に進出。新たな選手育成のパイオニアになろうとしているのだ。

ここで言う留学生とは、日本国籍を持たない生徒のうち、高校入学前に日本の学校教育を3年以上受けていない選手を指す。

留学費用はドジャースの支援でクリアできるとして、問題は選手が集まるかどうかだ。言葉の壁があり、それも北国の岩手県に…。

「“IWATE”だから可能なのです。岩手は大谷や菊池雄星(エンゼルス)、佐々木を輩出した“怪物を生み出す聖地”として知られ、特異なブランド力を持つ。ラテンアメリカの野球アカデミーは嫌がる選手でも、日本、それも岩手なら歓迎でしょう」(スポーツ紙記者)

日本とアメリカは入学式の時期が半年違う。この間に日本語を学習することで言葉の問題もクリア可能だ。

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『くふうハヤテ』元GMの山下大輔氏がキーマンか

実際、逆の立場で佐々木麟太郎がそれを証明しており、私立高校の花巻東なら融通も利く。

あまり知られていないが、日本の高校野球は、五輪や国体と違って国籍規定がないため、外国人留学生の出場は可能。ただし、短期留学だけでなく、3年間在学の場合に限る。

「ドジャースの目的は、資金提供で理事会の協力を得て一定枠の留学生を確保するのが狙い。花巻東は今春センバツでは準々決勝で敗れたが、戦力は厚い。これに助っ人が加われば、チーム内に新たな競争が生まれ、悲願の甲子園制覇が見えてくる」(同)

日本の大学野球は外国人の人数制限はなく、留学生が日本の大学進学を選択することも可能だが、彼らの目的はメジャーリーガー。森井翔太郎(18、東京・桐朋高)方式でMLB球団とマイナー契約することはあっても、日本の大学野球に進むことはない。

気になる動きもある。ファーム・リーグ球団『くふうハヤテ』の山下大輔氏だ。

昨年末にGMを退いて顧問に就任したが、1月末をもって退団。背景にドジャースのアカデミー計画があるという見立てだ。

静岡出身で慶大を経て大洋ホエールズ(現DeNA)で活躍し、引退後は監督も務めた山下氏は、その後、ドジャース傘下のマイナーでコーチを務めており、英語力も備えている。

「突然、故郷のチームを離れたのは、ドジャースにスカウトされたからという情報もある。日米の野球をつなぐコーディネーターに就くのではないか」(地元放送局幹部)

大谷の活躍で高校野球にも“黒船”が襲来、新たな時代を迎え始めているのである。

「週刊実話」4月10日号より一部内容を変更