「なぜ天才の彼がワールドカップの舞台に立てなかったのか」多摩川クラシコで蘇る“18年ロシア大会の記憶”

 2025年3月29日、味の素スタジアムで開催された多摩川クラシコ。ホームのFC東京が川崎フロンターレを迎えた一戦(結果は3-0で川崎の勝利)で気になった選手のひとりが、大島僚太だ。センス抜群のプレーが魅力的で、オフ・ザ・ボール時の気の利いたポジショニングも素晴らしく、とにかく気になるのである。

 なぜ気になるかと言えば、ロシア・ワールドカップでの出来事が忘れられないからだ。ロシア・ワールドカップの開幕前、と言ったほうが正しいか。

 2018年5月30日、大島はガーナとの親善試合でボランチとしてフル出場。巧みなスルーパスなどで戦力的価値を示すと、6月9日のスイス戦でも71分に交代するまで繋ぎ役として機能した。

 これで「ロシア大会、大島が日本代表のキーマンになる」と確信したが、スイス戦の翌日に「左腰を痛めて代表練習を回避。ホテルのプールなどで別メニュー」と知らされる。この離脱を機にスタメンから外れ、代わりに先発起用された柴崎岳が本大会でも活躍したのだ。結局、大島はベルギーとの決勝トーナメント1回戦まで出番なし。ワールドカップのピッチに立てないまま、ロシアをあとにした。

 この記憶が脳裏こびりついているのだ。「なぜこの天才MFがワールドカップの舞台に立てなかったのか、勿体ない」と、彼のプレーを観る度に考えてしまう。もちろん度重なる怪我に苦しんだ過去は知っているが、それでもそう思ってしまうのだ。

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 今回の多摩川クラシコでも大島は地味ながらも美技を連発した。例えば3分40秒に見事なターンで敵のマークを回避すれば、14分37秒にボールカットから山田新へのスルーパスで決定機を演出。さらに19分23秒に相手のタイミングを外しての縦パスを送り、22分23秒にはヒールキックでマルシーニョに繋いでいる。守備でも的確な立ち位置でパスコースを限定するなど、攻守両面で良い働きをしていた。

 やはり大島は特別な存在だ。ワールドカップで戦う彼を見たい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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