「ガンダム」シリーズ作品には、実に多数の「ガンダム」と名前に付いたメカが登場します。とはいえその姿かたちはかなりブッ飛んだものも。それでも「ガンダム」と認識できるのは、長く「訓練」され続けてきたからかもしれません。
『Gガン』より「ノーベルガンダム」。我々はこれを「ガンダム」と認識している。「HG 1/144 ノーベルガンダム」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
【レベチ】こちら訓練済みでもガンダムと認識するのは難しいというガンダムです(7枚)
我々の認識能力は『Gガン』以前より訓練されていた?
我々はどこまでを「ガンダム」と認識できるのでしょうか。
マグミクスは2025年3月18日、「人はどれ程ぶっ飛んだデザインまで『ガンダム』と認識できるか どこで限界突破した?」と題した記事を配信、これに対し多くの反響が寄せられました。
記事では、1994年放送開始の『機動武闘伝Gガンダム』において「ガンダム顔さえあればガンダム」と、そして1999年放送開始の『∀ガンダム』において「V字アンテナ(ヒゲ)とトリコロールがあればガンダム」と、我々視聴者が訓練された結果、認識能力は高まったとしています。
これについて様々な意見が交わされるなか、「そもそもなぜ我々は『Gガン』のガンダムを受け入れられたのか」との問題提起に対し、「きっと『SDガンダム』ですでに訓練されていたのでは」との意見が見られました。
「SDガンダム」は、1985年に発売されたカプセルトイに端を発します。「SD」とは「スーパーディフォルメ」の意で、当初はアニメ『機動戦士ガンダム』のメカやキャラを2頭身で表現したものでしたが、やがて「武者ガンダム」で知られる架空の戦国時代を舞台とした「SD戦国伝」シリーズなど、「SDガンダム」としてのマンガ、アニメ、ゲーム作品などにも展開されていきました。
上掲の「武者ガンダム」をはじめ、「騎士(ナイト)ガンダム」など、およそ原点とはかけ離れているものの、確かにそれらは「ガンダム」のバリエーションとして認識されていたといえるでしょう。「SDガンダム」から『Gガンダム』まで9年間、訓練には十分な期間です。
『Gガンダム』についてはこのほか「ノーベルガンダム」について、そのデザインを担当したカトキハジメ氏が後に、ゲーム「電脳戦機バーチャロン」シリーズの少女型バーチャロイド(巨大人型兵器)「フェイ・イェン」を世に送り出したことを挙げつつ、「ガンダム」どころか、スーパーロボットやモビルスーツ等いわゆる「戦うロボット」の概念をぶち壊した、といった意見も見られました。
一方「∀ガンダム」については、その発表当初、否定的意見が噴出していたという印象はあるでしょう。記事に対しても「それでもまだ(∀は)受け入れられない」という声はあります。ただ、その後さまざまに展開された「ガンダム」シリーズ作品もあってか、いまとなっては「∀も確かにガンダム」という声も多数、聞かれました。「ガンダムか否か」といった観点とは少しズレますが「動くといい」とする意見もあり、そのあたりはさすが工業デザイナーであるシド・ミード氏、といったところでしょうか。
なお「それでもガンダムと認識するのは難しいもの」として、2007年放送開始の『機動戦士ガンダム00』に登場した「アルケーガンダム」の名前が挙がっていました。確かにあれは、ちょっとレベルが高いかもしれません。