卵持ちの“弱々しいお母さんカニ”をスーパーで発見→連れ帰ると“たった1日”で…… 「普通は無理だと思う」「目が離せなくなった」

 スーパーで売れ残っていた瀕死のオオズワイガニを飼育してみた様子がYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で200万回以上再生され、2万7000件を超える高評価を集めています。

スーパーに売れ残っていた瀕死のカニを飼育してみると…

 動画を投稿したのは、全国のさまざまな生物を捕獲し、食べている水ラーメンさん。自身のYouTubeチャンネル「水ラーメン」では以前、スーパーで購入したクルマエビとサザエを飼育する様子が話題になりました(関連記事)。今回の主役は、オオズワイガニのようです。

スーパーでメスのオオズワイガニを購入

 ある日、水ラーメンさんは日課としてやってきたスーパーで、まだ生きている小さなメスのオオズワイガニと遭遇しました。そしてそのかわいさに運命を感じたことから、連れ帰って飼育してみることにしたようです。

 連れて帰ってきたオオズワイガニは瀕死の状態ですが、おなかには卵を抱えていました。体が小さいと弱るスピードも速いため、取りあえず海水を作って入れておくことにします。口元がぶくぶくしているところを見ると、きちんと呼吸はできているようです。

 卵にエネルギーを使ってしまっているかもしれないと心配しつつ、口元にエアレーションを置いてしばらく様子を見ます。30分たってから様子を確認してみると、先ほどより脚に力が入ってきていました。

 水ラーメンさんによると、オオズワイガニはその名前の通り、ズワイガニより体が大きくなるカニの1種とのこと。日本では北海道の海に広く生息していて、メスよりオスの方が大きくなるそうです。

 ズワイガニとよく間違えられますが、オオズワイガニの方が甲羅が大きくて脚が太い、体の色合いも茶色が強い、口の部分の形が異なるといった違いがあるため、これらの違いに注目すると見分けられるのだとか。

 また、どちらも冷たい水温を好みますが、オオズワイガニの適温は2~8度、ズワイガニの適温は0~3度とされているとのこと。そのため、オオズワイガニはズワイガニより高温に耐えられて丈夫であることから、飼育しやすいと考えているそうです。

オオズワイガニ用の水槽作り

 オオズワイガニについて説明した後は、オオズワイガニ用の水槽作りに取り掛かります。まずは新たに購入した60センチ×45センチの水槽と水槽台を設置し、水槽にサンゴ砂と海水を入れました。

 水ラーメンさんによると、サンゴ砂を水槽に入れるとバクテリアが住み着きやすくなり、水質浄化作用があるほか、カニの足場となってストレスが軽減されるそうです。

 次は、人工海水のもとで海水を作りました。実は海水にはナトリウムやマグネシウム、カルシウムなど、さまざまな栄養素が含まれています。そのため海の生き物を飼育する水には食塩ではなく、さまざまな栄養が入った人工海水のもとを使う必要があるのだとか。

 水槽にサンゴ砂と海水を入れたら、ろ過機と水槽用クーラーを設置。甲殻類は突然3度以上の温度変化にさらされると命を落とす可能性があるため、まずは水合わせをしていくことに。ここであらためてオオズワイガニを見てみると、状況はかなり厳しそうです。

 しかし水合わせをしていくと、うれしいことにオオズワイガニが元気になってきています。水合わせ後はゆっくりと水槽に入れ、口元にエアレーションを持っていくと少しずつ動くようになり、やがて自分の脚でしっかりと立ち上がってくれました。

 水ラーメンさんによると、オオズワイガニの寿命は長くて8年ほどとのこと。メスはイカやタコのように1回産卵して命を落とすわけではなく、一生のうちに何回も産卵をするのだそうです。

 また、オオズワイガニは深い水域に生息する生物であることから、水槽のライトがストレスになる可能性があるとのこと。そのためライトを消し、部屋を暗くして観察してみると、水槽内を右へ左へと動く姿を見せてくれました。

実家に戻ると……

 水ラーメンさんはこれまで、実家でさまざまな生き物を飼育していましたが、手狭になったことから生き物を飼育するための新居を借りたそうです。実は今回の主役であるオオズワイガニは、そちらの新居で飼育しています。

 いったんオオズワイガニに留守番をしてもらいつつ、実家に戻ると……なんと以前お迎えしたクルマエビのカツオ(のうち1匹)が脱皮をしていました。無事に脱皮してくれたことを喜びつつ、スーパーからお迎えしたペットたちにごはんをあげていきます。

 その後、実家での用事を終えて新居に戻り、オオズワイガニの様子を見てみると……なんということでしょう、ものすごく元気になっていました。スーパーで瀕死になっていた個体が1日でここまで元気になるなんて、その生命力に驚くばかりです。

 なお、深い水域に生息しているのならズワイガニを個人宅の水槽で飼育することは難しいのでは、と思う人もいることでしょう。しかし、ズワイガニもケガニも水圧の変化にかなり強く、水圧が低くても生きられるとのこと。水槽と水槽用クーラー、ろ過機さえあれば、個人でも問題なく飼育できるそうですよ。

オオズワイガニにエサをあげてみると……?

 ここで、生き物を長期飼育するにあたって第一関門となるエサやりに挑戦してみることにします。まずは解凍したエビを与えてみましたが、食べてくれません。続いて大体の甲殻類が好むというイソメを与えてみましたが、見向きもしてくれませんでした。

 それから5日ほど経過しても、何も口にしてくれないオオズワイガニ。においが強いものを含めて10種類ほどのエサをあげてみましたが、食べる気配がないそうです。

 とはいえ、このオオズワイガニは恐らくシャイであり、まだ環境に慣れていないため食べてくれないだろうとのこと。もう少し慣れたら食べてくれるはずと宣言しつつ、日々のお世話を頑張りたいと、気合いを入れ直す水ラーメンさんなのでした。

 その後、オオズワイガニの名前をコメント欄で募集し、「クララ」と名付けたとのこと。名前を募集した際は、なんと2000件ものコメントが寄せられたそうですよ。今後クララがエサを食べてくれるのか、卵はどうなるのか……見守っていきたいですね。

 なお、水ラーメンさんはX(Twitter)で「スーパーで購入した生き物を自然に返すことは絶対にやめてください」と注意喚起をしています。

 スーパーで購入した生き物を飼育する分には問題ありませんが、自然に放つと遺伝的な交雑を引き起こしたり、病原体を拡散したりと、生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。購入した生き物は責任をもって食べるか、最期まで飼育してくださいね。

「めっちゃ感動した」「カニの生命力ってすごい」の声

 この動画のコメント欄には「めっちゃ感動した」「あんなに弱々しかった子達が元気になってて嬉しい」「普通は無理だと思う」「カニの生命力ってすごい」「ちゃんと1匹1匹水槽作るの偉すぎる」「愛が伝わりました」「なんだか目が離せなくなりました」といった、たくさんの声が寄せられています。

 見ているだけでワクワクする水ラーメンさんの活動は、YouTubeチャンネル「水ラーメン」やX(@mizuramen0923)で公開中です。

水ラーメンさんの動画まとめ

スーパーに売れ残っていた瀕死のエビを飼育してみると…
スーパーに売れ残っていた瀕死のシャコを飼育してみると…
スーパーに売れ残っていた瀕死のエビを水槽に入れると…

動画提供:YouTubeチャンネル「水ラーメン