
・債権者よ、強く生きよ
なおアリシアのHPにある『重要なお知らせ』を要約すると「契約の時期に関わらず、前払いした金が返ってくる可能性は限りなくゼロ」ということらしい。シンプルに理不尽。
2017年の時点で、数ある脱毛クリニックの中から私がアリシアを選んだ理由は “一番潰れなさそうだったから” である。そんなアリシアでも潰れるのだから、基本的には「もう何も信じない」というスタンスで生きていくべきなのだろう。
ありきたりな慰めになってしまうけど “人生の勉強代” だったと思うしかない。
謎のドキドキを感じながらエレベーターに乗り込むと……
ああ……「7階」ボタンそのものが押せない仕様か。
ってことで倒産したアリシアの予約日に一応行ってみた結果 “店舗に到達することができなかった” ことを謹んでご報告させていただきたい。
ちなみに先ほど「7年通っても毛がなくならなかった」とお伝えしたが、詳しくは「2年くらいで毛の95%は消滅したが、残り5%が5年かかってもなくならなかった」が正しい。毛ボーボーも嫌だが、チョロ毛が微妙に残留している状態も、それはそれでみじめなものだ。
よって私は今、このチョロ毛を撲滅すべく新たに別のクリニックと契約するか、チョロ毛とともに生きていくかの2択を迫られている。支払った金が戻らないばかりか、新たな出費まで発生する……何度も言うけど理不尽すぎて気絶しそう。
それでも私が謎に晴れやかっぽい顔をしているのは、7年間に及ぶアリシアとの付き合いの中で、嫌な思いをしたことがほとんどないから。債権者の中には怒りで眠れぬ夜を過ごしている方も多いと思うが、私のように「ま、世話になったしな……」という心持ちの方も、少なからずおられるのではなかろうか。
っちゅーことで債権者の皆よ、同志よ。我々にできることは1つ「過ぎたことは忘れて稼ぐ」だけ! すぐには気持ちを切り替えられないかもしれないけれど、この出来事を体験談として誰かに語ってあげられる日が、いつかきっとくるはずだ。強く……生きよう。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.