
りんご畑鉄道の呼び名で知られる「弘南鉄道大鰐(おおわに)線」が、利用者数の減少などを理由に令和10年(2028年)3月末に廃止となるようだ。そんな大鰐線の弘前側の終点駅「中央弘前駅」にやってきた。
狙っていたわけではなく、たまたま予約していた宿の近くに同駅があって……その姿が昭和時代の映画館みたいにレトロだったため見学することに。昭和27年(1952年)開業の中央弘前駅は駅舎も待合室もまるで映画の世界だった。
・レトロな街
中央弘前駅はJR弘前駅から約1.5キロ離れた場所にある。徒歩なら20分くらい。市のランドマークである「中三(なかさん)弘前店」から5分ほどだろうか。
つまり「弘前ねぷた」の運行コースである繁華街の土手町商店街の近くってことで、意外と市の中心部にある。JR弘前駅と弘前城のちょうど間くらいの場所だ。
ちなみに市内には古き良き建物が多く残っていて、例えば一戸時計店も超レトロ。赤い屋根のてっぺんには風見鶏が付いていた。
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・中央弘前駅
話を戻して、中央弘前駅へ。数年前に市内にりんごアートを増やす取り組みがあったらしく、その際に看板に「りんご畑鉄道」や「りんごマーク」を施したらしい。
また看板にもある通り、中央弘前駅から「弘前れんが倉庫美術館」に通り抜けられる自由通路が駅構内にある。後述するが、ホームと自由通路がフェンスで仕切られていて、駅裏の美術館までショートカットできるのだ。
駅員さんに確認したところ、切符を購入しなくても通り抜けOKとのこと。駅舎内を見学してから、そのまま美術館方面に向かって歩いて行くことにした。
待合室には雪国の象徴・石油ストーブがある。電車が来るギリギリまで冷えた手足を温めることが可能。ちなみに電車は1時間に1本のようだ(平日8時台は2本)。
ベンチでお尻を冷やさないように手編みの座布団も敷いてある。心も温まります。
そんで電飾広告スペースには「ねぷた絵」が展示されている。明かりによって色彩が強調されるねぷた絵の特徴を生かした企画らしい。