遅れて来た大型ルーキー、金丸ユウがデ・オリベイラの代役でスーパーGTデビューへ。「間違いなく育つ。このチャンスを活かして」と近藤監督

 スーパーGT、GT300クラスのKONDO RACING・リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rの第3ドライバーに登録された金丸ユウには、大きな期待が掛かっている。

金丸は東京出身の30歳。決して若手とは言えないが、今季スーパーGTにデビューを予定しているドライバーだ。ただし、参加するのは第2戦富士と第3戦セパンの2戦のみで、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの代打出場となる。

「JP(デ・オリベイラ)が今季はストックカーブラジル(SCB)にフル参戦するのでスーパーGTにはフルタイムで乗れないという話になったんです。どうしようか悩みましたよ。そこでSCBと日程がバッティングしてしまう富士とセパンで代役を起用しようということになりました」と近藤真彦監督。

「候補は3人いたんですけど、最も重要視したのは“GT-R GT3の実績”でした。チームのエンジニアやマネージャーと話をして、ニスモからも将来的なドライバーだという意見をもらったので彼に決めました。去年GTワールドチャレンジアジア(GTWCA)の鈴鹿ラウンドでGT-Rで総合優勝していますしね。ウチでは育成なんてやってる余裕はないので、即戦力じゃないと困るんです。どうだろうと思っていたのですが、テストで乗せてみたら相当良い! 条件がはまったなと思いました」と嬉しそうな表情を浮かべた。

 金丸に話を聞くと、次のように語った。

「(一昨年からGTWCAに参戦している)5ZIGENの木下正治会長からもプッシュがあったと聞いています。これまでGTに乗れるチャンスがあれば乗りたかったのですが、今回はいろんな方の力添えがあってチャンスをいただきました」

「GTWCAではヨーロッパのドライバーたちとも渡り合えたので、自信はある程度ありましたし、クルマのポテンシャルもそこそこ出せるんじゃないのかなと思っています。スーパーGTではタイヤ(ブランド)が違うのでまだまだ学ばなければならないところはありますが、ゆくゆくはこういう環境でちゃんと戦えるようになれればいいなと思っています」

「『誰だこいつは』みたいな感じでチームに入りましたが、チームスタッフはみんな温かくて走りやすい環境。結果を出せたらいいなと自分の可能性を信じて頑張りたいと思います」

 近藤監督はこう続けた。

「今季の2戦での走りが将来につながると思うので頑張って欲しい。チームの評価も高いし、チームの中でも存在感あるしね。間違いなく育つドライバーだと思うのでつぶされないようにしっかりケアするし、このチャンスを生かして欲しいと思っています」

 金丸は、13歳時(2007年)に単独ヨーロッパ(スイス)に渡り、カートで世界を転戦。2009年(KF2)と11年(KF1)に世界選手権で優勝(アジア人初)。フォーミュラ・ルノー3.5などF2レベルのカテゴリーでカルロス・サインツJr.、F3でマックス・フェルスタッペンらと戦うも、資金的に厳しく18年に日本に帰国。B-MAXから全日本F3にエントリーし、坪井翔、宮田莉朋、阪口晴南、笹原右京、大湯都史樹らメーカー枠ドライバーを相手にシリーズ5位を獲得した。

 2019年はTCRジャパンシリーズで最多優勝。2020年はホンダでスーパーフォーミュラとGT500のリザーブドライバーに起用されるもレースには参戦できなかった。2年ほどレースにはスポット参戦程度だったが、2023年デイトナ24時間にLMP3クラスで出場。2024年は5ZIGENからGTWCAにHIROBONと参戦し、第5ラウンド鈴鹿の第1レースで総合優勝。スーパー耐久ではTeam Noahのエースドライバーとして表彰台も獲得した。

 独身のイケメンドライバーでもあり、これから人気を集めそうだ。まずはスーパーGT第2戦富士での活躍に期待したい。