
4月4日(金)から開幕するF1第3戦日本GPに、レッドブル・レーシングから参戦することになった角田裕毅。トップチーム昇格で日本中の注目が集まる中、2日(水)には昇格後初となる記者会見が実施された。
会見の前には、お台場でのデモランイベント『Red Bull Showrun x Powered by Honda』に臨んだ角田。東京都心の公道をF1マシンで駆け抜けるという刺激的な体験に「子供の時に描いていたような夢物語というか、映画の世界のようなことを実現できたことはすごく光栄」と語った。
そして話は、レッドブルへの昇格オファーを受けた時のことに及んだ。角田は「具体的なプロセスは控えさせていただきますが……」と前置きした上で、こう説明した。
「最初に電話がかかってきたのは、チーム代表のクリスチャン・ホーナーさんからです。中国GPの後、彼からその(レッドブル昇格の)可能性があるということで、レーシングブルズのシミュレータで準備していて欲しいと聞きました」
「本当はイギリスでシミュレータをするのは1日の予定でしたが、その期間を伸ばしました。その間に、ホーナーさんから面と向かって、レッドブル・レーシングで走ることになると聞きました」
「僕的には考えることもなかったというか……それまでにはどうかなと少し考えた部分もありましたが、トップチームからオファーという機会が人生で巡ってくることはなかなかないと思ったので、そこは即答させていただきました」
このように、レッドブル昇格のオファーを即答したと明かした角田。過去4シーズンと少し、姉妹チームで戦ってきたが、特にここ数年間はチームメイトを凌駕するパフォーマンスを見せており、ドライバーとしての評価を高めてきた。そして日本GPに向けて不振のリアム・ローソンと交代するに至ったのは、角田が結果を残してきたからである。
そんな角田はこれからレーシングドライバーを目指す子供達へのメッセージを問われ、今取り組んでいることに全力を注ぐことで、道は開けるはずだと力強い言葉を残した。
「僕はあまりF1を意識してやってきたわけではありませんでしたが、すごく競争心が旺盛な男の子で、その時やっているレースカテゴリーで一番になる事だけを考えていました」
「やっぱり今やっていることに全力を注いでいけば、道が開けていくと思います。もちろん色んな壁にぶつかると思いますが、壁にぶつかって、それを乗り越えたという感覚を楽しんで欲しいです」
「これはレースに限らず色々な分野で言えることだと思います。将来とか先のことを考えるよりは、猪突猛進して色々学んでいければいいのかなと思います」
以前から言われている通り、扱いづらいと言われるレッドブルRB21に関して角田は、シミュレータで体験した限りあまりネガティブな印象を持っていないとのこと。セットアップの方向性、考え方がレーシングブルズと違うことは確かなものの、元々オーバーステア傾向の“前が曲がる”マシンが好みだったということもあり、大きな心配はしていないという。
ローソンが大苦戦したことを考えると、決して簡単なことではないだろうが、トップチームの加入、そして上記の通りRB21と相性が良さそうに見えるという点からも、日本人初の優勝が期待されるのは当然のことでもあるだろう。これについて角田はこう答えた。
「別に、あまり考えたことはないです。このクルマでパフォーマンスが発揮できると確証があるわけではないですし。ただトップチームなので、それを最大限出せた時にチャンスが巡ってくると思います」
「FP1の限られた時間でどれだけクルマを理解して、パフォーマンスを発揮させられるかが重要です。もちろん日本GPに向けて(予選)Q3は、トップ10は目指していきたいです。それ以上の表彰台を目指すことについてはあまり頭にはないですが、もちろんそうなったら嬉しいです」