昭和から平成にかけて、アニメ界隈ではさまざまな珍事件が起こりました。前代未聞の放送事故や知る人ぞ知る打ち切り事件など、信じられないようなトラブルばかりで、いまの若者たちが知ったら驚くかもしれません。
画像は「S.H.Figuarts 孫悟空-少年期-“大冒険の始まり”」(BANDAI SPIRITS) (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション
【画像】サルっぽさ全開だな(笑) こちらが約30年ぶり『DAIMA』で復活した「スーパーサイヤ人4」です
前代未聞だったアニメ事件の数々
いまほどアニメ文化が浸透していなかったひと昔前の時代には、とんでもないトラブルがたびたび起こっていました。それは世にも珍しい放送事故だったり、国民的アニメの打ち切り事件だったり……。現代の若い子たちは知らないような珍事件が目白押しでした。
藤子・F・不二雄先生原作の『ドラえもん』といえば、いまや誰もが知る国民的アニメです。1979年4月にテレビ朝日系列で初回エピソードが放送されて以降、長年にわたって親しまれてきましたが、実はそれ以前にも『ドラえもん』は一度アニメ化されています。
日本テレビ系列で放送された『ドラえもん』、通称「日テレ版」がスタートしたのは1973年のことで、いまのテレ朝版とはあらゆる点で異なる部分がありました。それはどこかオヤジ臭いドラえもんに始まり、原作でもほとんど登場しなかったアヒル型ロボット「ガチャ子」が活躍するなど多岐にわたります。
しかしこの日テレ版は、わずか半年で打ち切られてしまいました。その理由として、かつては視聴率低迷などがささやかれていましたが、実際は「代表の失踪が原因で制作会社が解散したため」といわれています。また近年は一度も再放送されていないばかりか、ソフト化もされていません。『ドラえもん』の公式サイトでも触れられていないため、いまや日テレ版は知る人ぞ知る「幻のアニメ」と化しています。
同じく国民的アニメとして知られる『ドラゴンボール』では、前代未聞の放送事故が起こりました。問題が発生したのは1987年放送の第79話「金角・銀角の人食いひょうたん」でのことで、なんとフジテレビが『ドラゴンボール』の始まる時間に誤って海外のTVドラマ『スパイ大作戦』を流してしまったのです。
局側もすぐさまこのミスに気付き、1分ほど無音の映像が流れた後、改めて『ドラゴンボール』のオープニングが放送されました。本編が始まった際には「番組のはじめに、お見苦しいところがありましたことをお詫び致します」と謝罪テロップが入りましたが、TVの前で楽しみに待ち構えていた当時の子供たちはさぞ驚いたことでしょう。
そして本来の番組とはまったく違う映像を流してしまった放送事故としては、『黄金勇者ゴルドラン』も有名です。本作は『勇者特急マイトガイン』『勇者王ガオガイガー』などで知られる「勇者」シリーズのひとつで、1995年から1996年にかけて放送されました。
放送事故が起こったのは、よりにもよって最終回でのことです。まず本来であればオープニングが始まるところで映像が流れず、放送局であったNBN(名古屋テレビ)のロゴマークが映し出されます。
ようやく放送が再開されてもオープニングの途中で再びNBNのロゴが映し出されたり、提供の読み上げ中に急に画面が灰色になったりと、不安定な放送が続きました。事故が起こっている間はずっと無音だったこともあって、当時の放送を不気味に感じた視聴者も多かったようです。