大人気作『鬼滅の刃』が実写化されるとしたら、あのキャラの俳優は誰? と議論されることは多いですが、炭治郎たち主人公たちよりも、実は敵となる「鬼」たちが重要なのではないか? と思うところもあります。その理由と、候補となる俳優を一挙にあげてみましょう。
「G.E.M.シリーズ 鬼滅の刃 上弦の参 猗窩座」(メガハウス) (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
【画像】え…っ? 「素で似てる」「そういや鬼やってたな」 こちらが猗窩座役に期待したいイケメン俳優です(3枚)
無惨はやはりGACKTさんが第一候補?
『鬼滅の刃』ブームが訪れて以降、SNSやさまざまなWeb媒体で「実写化されるなら誰にあのキャラを演じてほしい?」というキャスト予想がされてきました。
ヨーロッパ系を思わせるキャラクターを日本人が演じた『鋼の錬金術師』のほか、中世に近い世界観の『進撃の巨人』も軍艦島で撮影して実写化されるくらいですから、「日本が舞台」かつ「日本人しか出てこない」設定の『鬼滅の刃』の実写化は十二分にありえる、というのも納得できる理由です。そのため、これまでさまざまなネットニュースやSNSのつぶやきで、「キャスト予想」が行われてきました。
※この記事では一部、『無限城編』以降のネタバレに触れています。
●鬼たちに豪華なキャストが期待できそうな理由
これまで、「『炭次郎』役は山田涼介さんや神木隆之介さんがいい」「『禰豆子』役は舞台版もやっていた高石あかりさんや、橋本環奈さん、浜辺美波さんでしょう」といろんな予想もされていましたが、さらに豪華なキャスティングになりうるのは、敵となる「鬼」の方ではないでしょうか。
アニメ版の鬼たちの声優には大ベテランがそろっていますし、実写映画版『るろうに剣心』で藤原竜也さんが演じた「志々雄真実」や、数々のアメコミ映画のように「悪役のキャストがいちばん豪華」というケースは多々あります。『鬼滅の刃』級のヒットコンテンツの実写化なら、鬼役にもかなり豪華なキャストが期待できます。鬼のなかでも特に重要な、「上弦の鬼」たち、そしてラスボス「鬼舞辻無惨」のキャスト予想を、一挙に紹介しましょう。
●鬼舞辻無惨に必要なサイコパス性を発揮できる俳優は?
最大の敵である「鬼舞辻無惨」役候補の筆頭は、やはりGACKTさんです。GACKTさんは2020年に、実際に無惨に扮した姿を見せて絶賛されていました。年齢不詳なGACKTさんは、直近の2024年の実写映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』では、ある意味で無惨にも近いところがある、「暴君」「魔王」とも呼ばれた「織田信長」を見事に演じています。
さまざまな予想を見てもGACKTさんが筆頭候補だと思えますが、ほかには誰かいないでしょうか。無惨役に必須とされているのは、「圧倒的なカリスマ性」と「無表情だが気に触ることには容赦しない恐ろしさ」です。そのため、いわゆる「サイコパス」を上手く演じられる、その実績がある俳優が候補となるのではないでしょうか。
個人的に、その理由で無惨役にふさわしいと思える「サイコパスを描いた映画とその役に大きな説得力を持たせた大物俳優」を一挙にあげてみましょう。
『十三人の刺客』での稲垣吾郎さん、『みなさん、さようなら』での田中圭さん、『不能犯』での松坂桃李さん、『サイバー・ミッション』での山下智久さん、『この子は邪悪』での玉木宏さん、『孤狼の血 LEVEL2』での鈴木亮平さん、『怪物の木こり』での亀梨和也さんなど、多くの人気俳優が恐ろしいサイコパス役に挑戦してきました。どちらの俳優さんでも、それぞれで魅力に満ちた無惨役に期待できそうです。
●上弦の陸は実際の兄妹が演じるのもあり?
そのほかの上弦の鬼たちは、それぞれ無惨とはまた違ったタイプの異常性、クセの強いキャラクターを演じられる俳優のキャスティングが必須となるでしょう。
たとえば、「上弦の陸」の妹「堕姫(だき)」は、花魁(おいらん)としてのカリスマ性と、「お兄ちゃんっ子」であるキュートさの両面が必要で、かつ「心の闇」を表現することが上手い俳優を当てたいところです。たとえば二階堂ふみさんや、河合優実さんが適任かもしれません。
その兄「妓夫太郎(ぎゅうたろう)」には、「陰キャ」かつ妹想いの優しさを体現するキャラを演じられる俳優として、森山未來さんや中村倫也さんが候補にあがるでしょう。細身で髪が垂れている姿も、想像がつきます。
また、実際にきょうだいである俳優および声優の、土屋太鳳さんと土屋神葉さんが、堕姫と妓夫太郎を演じるのも面白いかもしれません(姉と弟で逆ではありますが)。
●童磨役はキュートさのある俳優が合う?
さらに、「上弦の伍」の「玉壺(ぎょっこ)」役は、ビジュアルは特殊メイクおよびCGを多用すると考えられるため、素の状態が似ている必要はないでしょう。玉壺は慇懃無礼(いんぎんぶれい)かつ「芸術」を至上とする価値観の持ち主なので、アーティスト的な資質を抱かせたり、変人だったりと、神経質な役がうまい俳優がいいと思われます。たとえば、高良健吾さんや成田凌さんはマッチするかもしれません。
また、「上弦の肆」の「半天狗」は、老人の見た目かつ、非常に小心者かつ卑屈そのものな性格の持ち主です。たとえばベテラン俳優である、柄本明さんや笹野高史さんは適任でしょう。
特に人気の「上弦の参」の「猗窩座(あかざ)」役は、押し付けがましさや馴れ馴れしさがありつつ、それと裏返しの確固たる価値観を理路整然と語るキャラクターです。ビジュアル自体は美青年ですし、たとえば菅田将暉さんや山田裕貴さんなど、軽妙または野生的、あるいは理知的な役を多く演じてきた俳優が向いているでしょう。人間時代があまりにも悲しい彼の過去編でも、名演を見せてくれそうです。
「上弦の弐」である「童磨(どうま)」は、軽薄さが根底にあるからこその恐ろしさを感じさせる役です。その意味では、見た目やパブリックイメージでキュートさがある俳優が候補で、たとえば手越祐也さんや小池徹平さんはピッタリかもしれません。そのほか、いくつかの予想では岡田将生さんの名前も出ていました。
●黒死牟役は「ひとり2役」になる?
そして、「上弦の壱」である「黒死牟(こくしぼう)」は、鬼たちのなかでもとりわけ冷静かつ理性的な性格をしつつも威圧感のあるキャラクターです。彼を演じるとなると、たとえば岡田准一さん、山田孝之さん、小栗旬さん、間宮祥太朗さんなど、こちらもカリスマ性と知名度、貫禄のある俳優陣が候補としてあげられている印象です。
また、黒死牟と「継国縁壱」は、「2役」を同じ俳優が演じてほしいという声もあり、悪人と善人の両方を演じ分けることも求められるのかもしれません。縁壱はどことなく『るろうに剣心』主人公「緋村剣心」にも似ており、実写版で剣心を演じた佐藤健さんもハマりそうです。佐藤さんが「史上最強の剣士」と「上弦最強の鬼」両方を演じれば、これ以上の説得力はありません。
●炭治郎たちはオーディションかも
鬼たちのキャストに関しては、はっきりと老人である半天狗を除いて、俳優の年齢はあまり問題にならないと思います。もとの顔が分からなくなるほどの特殊メイクがされることもあり得ますし、鬼たちはそもそも「歳を取らない」「永遠に生き続けられる」という設定もあるため、若く見えても老けて見えたとしても、演技力で「長く生きていた」説得力を持たせればいいわけです。
一方で、まだ少年少女と呼べる年齢のキャラクターが多い炭治郎や禰豆子、「鬼殺隊」のメンバーのキャスティングは、実写化制作時での年齢が若い俳優が選ばれる可能性も高いと思います。敵の鬼たちがしっかりした実力派で固められていれば、知名度に縛られることなく、オーディションで選抜したり、若手有望株を大抜擢したりすることもありうるでしょう。
いずれにせよ、誰がどの役を演じるのか、期待できるのも実写化作品の楽しみのひとつです。当然不安もありますが、大いに期待しています。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正式表記
※高石あかりさんの高は「はしごだか」が正式表記