
『STARDOM NIGHTER 2025 in KORAKUEN Apr.』後楽園ホール(2025年4月2日)
スペシャルシングルマッチ ○中野たむvs安納サオリ×
たむが敗者引退マッチを前に、盟友・安納にシングル初勝利。赤いベルトを懸けての再戦を約束すると、空気を読まずに乱入したウナギ・サヤカとたむの凱旋興行となる4・6安城大会でトリオを結成することが電撃決定した。
4・27横浜アリーナ大会でワールド王者・上谷沙弥との敗者引退マッチに臨むたむに対し、COSMIC ANGELSの盟友・安納は「うちらと向き合ってない。そういう意味を込めて戦いたい」と一騎打ちを熱望。たむも同意して、後楽園大会メインでの一騎打ちが実現した。
たむのデビュー戦の相手を安納が務めるなど、アクトレスガールズ時代から深いつながりがあり、かつて「頂点で会おう」と約束した2人が、約7年ぶり4度目の一騎打ち。いまだシングルで勝ったことがないたむが奮闘した。
序盤は基本的な動きでせめぎ合うと、安納が腰に集中攻撃を浴びせて主導権を握ったものの、たむもロープにもたれる盟友にバイオレットシューティングをぶち込み、コーナーからプランチャを敢行してやり返す。お互いに感情むき出しのエルボーを叩き込んで気持ちを確認。今度は座り込むと、顔にストンピングやローキックを浴びせ合った。ジャーマン合戦でも意地を張り合う。
安納は前方に丸め込もうとするたむを豪快なジャーマンで引っこ抜いた。たまらずエプロンに逃れたたむのあとを追い、再びジャーマンの構え。だが、振り払ったたむはトラースキックからエプロンでタイガースープレックスを繰り出す。揃って場外で大の字に。場外カウント19でなんとか2人ともリングに滑り込む。
競り合いはなおも続き、安納がジャンピングハイキックを放つと、たむは負けじとバックドロップでお返し。コーナーにあがるが、気づいた安納が雪崩式フランケン、投げ捨てドラゴンスープレックス、タンタンドルと怒とうの大技ラッシュに出た。負けてなるものかとたむはこん身のビンタを連打。安納もムキになって両腕を背中で組んであえて仁王立ち。そして、お返しのビンタでヒザをつかせると、顔面にストンピングを乱射した。
下がらないたむはカウンターのトラースキックからアクセルを踏み、スピンキック、ハイキック、タイガースープレックスとたたみかけるが、安納はギリギリでキックアウトした。ならばとバイオレットスクリュードライバーへ。振り払った安納はポテリングで丸め込んだものの、肩を上げたたむは今度こそバイオレットスクリュードライバーで突き刺す。これでも安納は沈まなかったものの、たむはトワイライトドリームで粘る盟友を仕留めた。
たむが熱戦を制して、安納にシングル初勝利。マイクを持ったたむは「サオリちゃん、今日は向き合ってくれてありがとう。中野たむ、どうだった? 超強くなってたでしょ。引退マッチさ、負けていなくなるかもなんて不安、消し飛んでったんじゃない?」と問いかける。安納は「ごめん。私、たむが言う通り、不安やった。たむのこと信じてる。でも、ちょっとだけどっか不安やったみたい」と告白。そのうえで「このシングルマッチが決まった時もさ、思い出作り、引退ロード、そんな言葉がSNSで見れた。中野たむ、ナメんな。中野たむは強い。メチャクチャ強い。今日受け止めた私が胸張って言ってやる。たむは強い。たむ負けんな。勝て。世間の声にも負けんな! 勝て! みんなたむのこと信じてる。だから、たむが信じたことを私たちに見せて」とゲキを飛ばした。たむは「信じて。勝つよ。4・27、勝って、引退なんてしない。赤いベルト取り戻して、その時はサオリちゃん、あなたとベルトを懸けて戦いたい。そこが次の頂点!」と約束する。
そこで思わぬ乱入者が現れた。3・15大田区大会でも乱入したウナギだ。たむは「出禁にしたでしょ。出禁! 誰が通したの。止めてよ」と怒りをあらわにするが、ウナギは「その話は中野たむさんが所属の時の話ですよね。あなた、フリーでしたっけ? なんならウナギ・サヤカさのほうが先輩だから敬語使ったほうがいいんじゃない?」と意に返さず。客席からは「言い返せ!」と野次が飛んだものの、たむは「でも、フリーだもん…」と肩を落とした。
ウナギは「まあでも、私も中野たむは引退しないと信じてるよ。でもやっぱり今日の白川未奈を見たらさ、ウナもちゃんとCOSMIC ANGELSを卒業したいなと思った」と注目発言。「だから、4月6日、安城で中野たむとあのたんと組んで、コズエンをやりたい。やりたいぞ、岡田。まさかこんなお金の匂いのするカードやらないなんてことはないよね?」と岡田社長に強引に承諾させた。「4月6日、安城、お前の誕生した場所で、中野たむ、安納サオリ、横でお前らを査定してやるよ」と言い放つと、「社長が言ったことは絶対だから。中野たむ、覚えておけよ。じゃあね。ばいばい」とリングを去っていく。
安納はたまらず「お前、マジで空気を読め」と吐き捨てたものの、気を取り直してたむが締めることに。「宇宙の皆さん、後楽園ホールの皆さん、こんにちは! 今日も雨の中、平日、こんなにたくさんの人に足を運んでいただけて、そして皆さん一緒に戦ってくれてありがとう! どんなに長い雨もいつかは止みます。満点の青空をみんなで迎えて、スターダムがみんなを照らすので、これからも私たちのことを愛し続けてください」とメッセージ。COSMIC ANGELSのメンバーをリングに呼び込み、最後は「私たちもあなたちもデリシャス、う〜ま!」と締めくくった。
「人生の地図ってずっと未完成でさ、その地図をサオリちゃんとかコズエンのみんなと一緒に描き続けていけることが幸せだなって今日改めて思った。次の頂点でまた会おう、サオリちゃん。だから、4・27、絶対に勝って引退しない。まだ約束があるからね」とたむ。安納と再び頂点で対峙するためにも、横浜アリーナ決戦で生き残る決意をみなぎらせた。
【たむの話】「頂点ってさ、いつも辿り着いたなあと思うたびに、またその先の頂点が現れて終わりがない。でも、だから走り続けていられるんだと思う。ずっとたどり着けないから、私たちは夢を見続けられてて。今日もまた頂点ができた。人生の地図ってずっと未完成でさ、その地図をサオリちゃんとかコズエンのみんなと一緒に描き続けていけることが幸せだなって今日改めて思った。次の頂点でまた会おう、サオリちゃん。だから、4・27、絶対に勝って引退しない。まだ約束があるからね。たむを信じてください。ありがとうございました」