改めて言うまでもない話だが「無断駐車」は非常に迷惑な行為であり、厳に慎むべきである。しかし時には、駐車場側に少なからぬ原因が潜んでいるケースも。
現在X上では、大阪府にあるドラッグストアの駐車場が「分かりづらすぎる」と、物議を醸しているのだ。
■駐車場の車にメモ書きが…
ことの発端は、Xユーザー・乾いた熊@ドライベアさんが投稿した一連のポスト。
「この駐車場に車停めてラーメン屋行ったらこれ。どう見てもこの看板、共用駐車場に見えるだろ!!!!!」と綴られた投稿には、「P」のマークとドラッグストア、薬局が1枚に表示された看板、そしてメモ書きの写真が添えられている。

一見すると、ポスト本文にある通り「共用駐車場」に見えるが、メモ書きには「無断駐車は固くお断りいたします。当店駐車場は、お買い物中のみご利用いただけます。ナンバーを控えさせていただきました。告知のとおり、1万円を申し受けいたしますので、本文を確認されましたら、店頭までお越しください」と、無断駐車を咎める内容が綴られていたのだ。
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■「高すぎる」「看板を変えた方が良い」と物議
メモ書きの文章はその後、「また、今後同様の無断駐車をされた場合は、警察へ通報いたします。ディスカウントドラッグコスモス 店長」と、締められていた。

投稿されるや否や、メモ書きの内容は大きな物議を醸す事態に。件のポストは投稿から1日と経たずに1万件以上ものリポストを記録し、罰金1万円という金額に対しては「高すぎでは?」「支払う法的根拠はあるのでしょうか…?」「運営会社のルールでなく、このお店が独自に請求しているだけでは?」など、疑問の声が相次いでいた。
また、ドラッグストアの(と思われる)駐車場エリアへ辿り着くには、ラーメン店の(と思われる)駐車場エリアを通過する必要があることも判明し、こうした点も物議を醸している。

現地の様子をGoogle Map等で確認したXユーザーからは、「ハッキリと区分されていないように見えます」「この看板はどう見ても共用駐車場でしょ」「ラーメン屋で食事をした後、薬局で買い物する場合もあるのでは」「看板を変えた方が良いと思う」といった声が上がっていた。
そこで今回は、ポスト投稿主・乾いた熊さん、および渦中の「ドラッグストアコスモス」松原インター店を運営する「コスモス薬品」に詳しい話を聞いてみることに。
すると、衝撃の事実が明らかになったのだ…。
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■運営会社は「回答しかねる」と取材を拒否
この駐車場に車停めてラーメン屋行ったらこれ。
どうみてもこの看板共用駐車場にみえるだろ!!!!! pic.twitter.com/xaiu2CKdNP— 乾いた熊@ドライベア (@drybear800) April 1, 2025
ラーメン店で食事をするため、件の駐車場に20分ほど車を駐車したという乾いた熊さん。じつは以前から「共用駐車場」と思って駐車した経験があったと判明している。
そのため、X上では「無断駐車の常習犯として、車の番号をマークされていたのでは」という意見も見られたが、乾いた熊さんは仕事の都合上、毎回別の車を運転しており、その利用頻度も月に一度程度であったそう。
また、今回の件について乾いた熊さんは、コスモス薬品公式サイトの「お問い合わせ」フォーマットより、「横のラーメン屋さんと共用と思わせる駐車場の看板が設置されており、ラーメン屋さんを利用する際にコスモスさんの駐車場を使用してしまいました」と、無断駐車に至ってしまった経緯と問題点を説明しつつ、1万円の支払い方法について質問している。

こちらの問い合わせと並行し、Sirabee編集部でもコスモス薬品に取材を打診。1万円の罰金が店舗の独断でなく、企業として請求を認めているものかを問い合わせたが、同社は本件に関する取材を拒否している。
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■無断駐車を追放するため、心を鬼にしていた?
その後、乾いた熊さんの元にはコスモス薬品からの回答が届く。
その内容は「弊社では、お買い物目的以外の駐車はお断りをいたしております」「弊社といたしましても、駐車料金をいただくことが目的ではございません。無断駐車を追放するためでございます。駐車料金は、今回は結構でございますので、以後お買い物以外での駐車はお断りいたします」というものであった。

メモ書き内では「告知のとおり、1万円を申し受けいたします」と明言しているが、実際は「無断駐車を追放するため」に、心を鬼にして罰金の請求していたのだろうか。
なお、今回波紋を呼んだ最大の要因であり、乾いた熊さんも問い合わせ内で触れた「駐車場の看板」に関する説明は一切見られなかった。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)