
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が、スペシャルリバリーで走る今年のF1日本GPについての思いを語った。
今年のF1日本GPは、角田裕毅のレッドブル昇格という大ニュースもあって多くの注目を集めている。プレイベントも、4月2日にお台場でF1マシンが走った豪華イベント『Red Bull Showrun x Powered by Honda』を含め、盛りだくさんだ。
そのショーランを終えた後、隣接会場で開催された『F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025』では様々なトークショーが行なわれたが、ホーナー代表はHRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長や、2021年までホンダF1のテクニカルディレクターを務めた田辺豊治さんと共にファンの前でトークを行なった。
ショーラン時は晴れ間も覗いた空模様だったが、このトークショーまでに再び雨が降り始めると、ホーナー代表はまるで馴染み深いイギリスのような天気にジョークを交えながら、ファンに挨拶した。
「2019年に東京でショーランを行なった時にイベントに出たことがあるけど、こういうトークショーは初めてだ。”ブリティッシュウェザー”を用意してくれてありがとう」
「ホンダとの長年の関係をとても誇りに思っている。今週末、ホンダカラーの特別リバリーのマシンをファンの皆様の前で走らせることを本当に嬉しく思っている」
ホーナー代表の言うように、日本GPでレッドブルRB21は白と赤のスペシャルリバリーを採用する。これはホンダがF1で初優勝した1965年のRA272をオマージュしたもの。渡辺社長は、このカラーリングが採用された経緯について説明した。
「クリスチャンとは常に話をしていますけど、今年でパートナーシップ最後だということで、我々ホンダは最後まで手を抜かないから、最後まで勝利に向けて一緒にやろうねと。その中で最後の鈴鹿をどういう風にお祝いしていこうかと考え、スペシャルリバリーをやろうとなりました」
「それから今年がホンダのF1初勝利から60周年ということなので、その時に勝ったRA272をオマージュできたらいいねと。今回それが実現して本当に嬉しいですし、クリスチャンには本当に感謝しています」
2018年にホンダがトロロッソにパワーユニット(PU)を供給開始してから、今年で8年目。その間、ホンダはレッドブルと共にF1の歴史を作ってきた。
田辺さんは、苦しい中で手を組んだトロロッソやレッドブルへの感謝を込めながら、当時を振り返った。
「トロロッソと組んだ当初、我々のPUは信頼性・パフォーマンスの面で明らかに他のPUマニュファクチャラーに負けている中で、トロロッソが大きく手を広げて、君たちのPUのパワーが上がるなら好きなことを言えという形でレッドブルグループとの仕事が始まりました」
「レッドブルという超一流チームと組んで、ホンダもこれで安泰だろうと皆さんはその時思ってたんじゃないかと思うんですが、実際そんな簡単なモノではなくて苦しい時が続きましたけども、マックス(フェルスタッペン)選手が優勝をしてくれて、一緒に手を組みながら徐々に開発を進め、それが結果に結びついたんだなと思います」
今季は開幕からマクラーレンが強さを見せているが、ホーナー代表は今年もタイトルを獲得すべく全力を尽くすと誓い、ホンダへの感謝を改めて口にした。
「この8年間で私の日本語はそれほど上達しなかったのだけど、ドライバーチャンピオンを4回、コンストラクターズタイトルを2回獲得して、今年ももちろんチャンピオンを獲得するためにホンダと一緒にベストを尽くしたいと考えている」
「日本人のスタッフは情熱とやる気、そして絶対諦めない。その3つのポイントが常にあって、それがあったからこそ我々も諦めず、結果を出すことができたので、この場を借りてホンダの関係者の皆さんに感謝したいと思う。ありがとう」
「今週末に鈴鹿でファンの皆さんに会うのを楽しみにしているし、今週末はユウキがレッドブルで走るわけだけど、彼の走りをものすごく楽しみにしているし、ファンの皆さんと共に応援したい」
渡辺社長も、レッドブルとホンダの輝かしい歴史を振り返りつつ、日本GPへの期待を語った。
「先日の中国GPまででレッドブルとホンダのパートナーシップは151戦になりました。勝ったのが64回。後半にだいぶ勝たせていただきましたけど、それだけ負けたことも多くて悔しい思いもしました。そこから色々な学びを得て、それがチャンピオンシップに繋がるという経験もしたので、この8年は本当に貴重な経験でしたし、モータースポーツの歴史にも残るといいなと思います」
「レッドブル、レーシングブルズとのパートナーシップの集大成として、我々もできる限りPUで貢献したいと思っていますし、スペシャルリバリーをまとったマックスと裕毅が大活躍をして、みんなと喜びを分かちあえることを期待しています。ぜひ鈴鹿で、テレビで応援していただきたいと思います」