![ニコン「Z5II」は”入門機”じゃない。最新技術を詰め込んだ、Zの新スタンダード[OnGoing Re:View]](https://assets.mama.aacdn.jp/2025/04/748493974_67ee0957f24e88_43482211.jpg)
Z5の登場から5年。ニコンは2025年4月25日、フルサイズミラーレスカメラ「Z5II」を発売する。
Z5IIは、Z6IIIほどの動画性能は求めないが、Z5やZfでは物足りない──そんなユーザーに向けて、最も”ちょうどいい”1台だ。かと言って動画性能は決して低くない。むしろそこまでやるの?という機能まで入っている。
レフ機時代におけるエントリーモデルといえば、上位機種との性能差が大きいことが常だったが、ミラーレス時代の現在、その差は着実に縮まってきている。価格を抑えるために機能を削るのではなく、用途やスタイルに応じて”必要な機能を選んで載せる”というアプローチに変わってきた。今回紹介するZ5IIも、まさにそんな哲学を体現する一台だ。
本記事では、Z5IIの映像機能を中心に、写真機能にも触れつつ、その実力を詳細に検証する。
見た目はZ6III、中身は本気。Z5IIの外観と操作性をチェック

左:Z5II 右:Z6III 見ての通りデザインはとても似ている
Z5IIの外観は、先に登場したZ6IIIとの類似性は非常に高く、一見しただけではどちらの機種か判断に迷うほどだ。サイズはZ5より若干厚くなったが、手に持った感触はしっかりしておりZ6IIIなどと遜色はない。
上面の液晶ディスプレイが無く、モードダイヤルが右肩に移動している点は先代のZ5から継承されている。これはこれで片手でモード切り替えもできるので便利に感じた。
ボタンやダイヤルの配置は、Z9以降のニコンZシリーズのレイアウトが基本的に踏襲されており右手操作に集約されている。Z9以降の既存のユーザーであれば迷うことなく操作できるであろう。

レンズマウント横のファンクションボタンも上位機種と同じく2個付いている。ニコンのカメラはホールドする小指以外の指でボタンやダイヤルの操作をするので操っている感覚がとても楽しい。各ボタンをカスタマイズすると自分の体の一部として使うことができる。

その他の特徴として、以下が挙げられる:
- SDカードダブルスロット(UHS-II対応):Z6III以上の機種はCFexpress TypeBを採用しており、RAW動画や写真の連写などの書き込み速度においてZ5IIは少し劣る。ただしZfはSDとmicroSDのダブルスロットなのでZ5IIの方が上だ。

- 入出力端子:USB-C(給電可)、Micro HDMI、マイク、ヘッドフォン、リモートコード
HDMIはフルサイズでなくMicroとなる。

- バリアングル液晶:210万ドットに進化

- EVF:約369万ドット/3000nitsの明るさで、Z6IIIに迫る視認性
- ピクチャーコントロールボタンを新設:Z50IIにも付いていたピクチャーコントロールボタンが付き、気軽に素早く気分に合わせ動画や写真の色合いを変えることができる。

- タリーランプは残念ながら非搭載:下の写真はZ50IIのタリーランプ部。映像撮影にはタリーランプがあると便利だったのだが。
- 手ぶれ補正機能:中央7.5段、周辺6.0段。望遠レンズで手持ち撮影も安定した撮影ができた。
- サイズ・重量:134×100.5×72mm/約700g(バッテリー・カード含む)。Z5(675g)より微増、Z6III(760g)より約60g軽くなっているが、実際手にしてもその差はほとんど感じない。
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Z9/Z8と同じ心臓部「EXPEED 7」搭載。高速処理と快適操作の源
Z5IIの心臓部である画像処理エンジンは、最新世代の技術が惜しみなく投入されている。Z9やZ8と同じく最新の画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載。これにより起動やメニュー操作から画像再生、そして高速連写に至るまで、ストレスを感じる場面はほとんどない。
起動後すぐに録画開始が可能。電源スイッチをオンにする動作から約2~3秒後には録画が開始している。個人的な願望だが、REDから今後登場するであろうシネマカメラにもEXPEEDを積めば起動が早くなるのではないかと考えてしまう。