飛距離が20ヤード伸びる方法!海外プロがメジャー優勝したスイングのコツ?

多くの海外コーチのメソッドを現地で直接指導を受けてきた吉田洋一郎がその概要をアマチュアにもわかりやすく解説。

今回は、フランチェスコ・モリナリのメジャー制覇を支えたデニス・ピューのメソッドを紹介する。

ヒールアップやジャンピングを使うフットワーク


「平均飛距離が20ヤード伸びてメジャーを獲った」

デニス・ピューはコリン・モンゴメリーなどのコーチとして、長きに渡りツアーに帯同した実績をもつベテランで、16年ごろからフランチェスコ・モリナリを指導しています。

理論よりも選手個々の個性を見ながら柔軟な指導をするタイプのコーチですが、地面反力を生かした飛距離アップには定評があり、モリナリの平均飛距離を20ヤード伸ばし、全英オープン制覇に貢献。モリナリのスイングを見てもそれは顕著で、バックスイングではヒールアップし、ダウンスイング以降ではジャンプするような積極的なフットワークを取り入れています。

また、切り返しでは反動を使ってクラブを加速させるなど、飛距離アップに有効な手法を多く取り入れており、手打ち傾向が強く飛距離が出ないアマチュアにとって、非常に有効なメソッドといえます。

【メソッドの肝1】ヒールアップで下半身をダイナミックに動かす


バックスイングで上げた左カカトを切り返しの早い段階で踏み込み、上下の捻転差を広げる

ピューのメソッドでもっとも特徴的なのはヒールアップ。バックスイングで左カカトを浮かせて体の回転をうながすとともに、切り返しでは上げた左足を踏み込んでダウンスイングのきっかけにしている。

【メソッドの肝2】ジャンプするように脚を伸ばして回転

切り返しで左足を踏み込んだ後は、ジャンプするように左ヒザを伸ばして地面反力を利用しながら骨盤を回転させる。地面を押した反動を体の回転に転換し、スピードアップする。


左ヒザを伸ばしながら骨盤を回転させて、スイングを加速する

【メソッドの肝33】反動を使ってスムーズに切り返す


下半身の動きに引っぱられて生じる反動を利用して切り返す

切り返しではバックスイングの反動を利用。クラブがトップに達する前に左足を踏み込んでダウンスイングを開始。腕とクラブが引っぱられるため、腕力に頼らずクラブがスムーズに加速する。

ヒジにテンションをかけつつ、手首をやわらかく使って反動を利用する

いかがでしたか? この記事を参考に飛距離アップを目指していきましょう。

解説・レッスン=吉田洋一郎
●よしだ・ひろいちろう/1978年生まれ、北海道出身。スイング研究に強い情熱を燃やし、海外で直接有名コーチのメソッドを学び知識を広げる。日本ゴルフスイング研究所主宰

フランチェスコ・モリナリ
1982年生まれ。04年にプロ転向し、欧州ツアーを中心に活躍。18年には全英オープンを制してイタリア人として初のメジャーチャンピオンとなった。

デニス・ピュー
コリン・モンゴメリーのコーチを長く務めるなど、欧州ツアーを軸に活動。モリナリを指導して飛距離アップに成功し、メジャー制覇に貢献した。

構成=鈴木康介
写真=中野義昌、ゲーリー小林
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)