
バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガ2024-25シーズンがいよいよ佳境へ突入する。リーグ10季目の石川祐希は個人としてプレーオフ3季連続の準決勝進出。初年の大塚達宣と垂水優芽は準々決勝で敗退となり、5位決定戦へ臨むことが決まった。日本人3選手はそれぞれ、今週末に幕を開ける次の舞台へ臨む。
【動画】石川祐希が19得点と躍動! ペルージャCL4強入り
石川祐希が所属するレギュラーシーズン2位のシル スーザ ヴィム・ペルージャは、同7位ヴァルサグループ・モデナに白星を与えることなく3戦先勝で準決勝への切符を奪取。最短で決着をつけたことで、2日間の完全休養を含みたっぷり2週間の準備期間を手に入れて準決勝初戦に挑む。
石川のここまでのプレーオフは、体調不良が回復して間もなく、短時間のプレーのみだった第1戦の後、第2戦ではアウトサイドヒッター(OH)ポーランド代表カミル・セメニウクの負傷で急場を任され、エースや豪快な打球でチームの士気を引き上げた。しかし、3戦目も第3セット中盤から終盤の入りまでの途中出場にとどまった。
一方で、3月中にプレーオフと交互に開催されたCEVチャンピオンズリーグ準々決勝の2試合は、初戦で劣勢のチームを形勢逆転へと導き、先発を担った2戦目は決勝点を含め試合最多の19得点を挙げたほか、レセプション(A+Bパス)成功率も8割越えの大活躍で大会2度目のMVPを受賞し、欧州4強入りに多大な貢献をした。
好調な石川だが、大方の現地報道が先発入りを予想した第3戦で3日前のCL戦を怪我で欠場したセメニウクがスターターとしてサプライズ復帰。その起用についてアンジェロ・ロレンツェッティ監督に話を聞くと、「4強入りが決まれば準決勝が始まるまで2週間空くのは分かっていたからね。カミル(・セメニウク)の回復が順調だったので、実戦に戻してからオフに入りたかったんだ。明らかにユウキの調子は良い。起用はチームの今後を見越しての決断であってユウキ側の問題ではないんだよ」と説明した。
攻守でチームを支えるOH3選手、ウクライナ代表オレフ・プロトニツキ、セメニウクと石川をベストコンディションで揃え、長期決戦もあり得るこの先のプレーオフに挑みたいペルージャ。セメニウクの怪我について詳細は明かしてもらえなかったが、チーム関係者によると特殊なケースだったとのこと。早期回復に至ったものの実戦を通して状態を確認しながら、安定したパフォーマンスが続いていた試合勘を維持させたかった模様だ。
準決勝はホーム&アウェーで最多5戦が予定され、3勝先勝したチームが決勝へ駒を進める。ペルージャは現地5日に初戦。同3位チヴィタノーヴァを本拠地で迎え撃つ。もう1つのカードの第1戦は翌6日に行なわれ、1位トレンティーノと5位ピアチェンツァが対戦する。
目指すは、強豪同士の連戦を制した者だけが立つことを許されるシーズン最後を飾るファイナルステージ。ここ2季にわたり古巣ミラノの一員としてプレーオフで圧倒的な存在感を示してきた背番号14が、初シーズンのペルージャで一段上の輝きを放つ姿を期待しつつ戦況を見守りたい。
そして、準々決勝をともに1勝4敗で終えた同6位アリアンツミラノ所属の大塚達宣と同8位チステルナ・バレー所属の垂水優芽は、準々決勝の敗者4チームにレギュラーシーズン9位と10位が加わり、欧州大会CEVチャレンジカップ出場を争う5位決定戦へ。出場6チームが総当たり戦を行ない、上位4チームが準決勝へ進み、決勝を目指す(準決勝と決勝はノックダウン方式)。初戦は現地5日にミラノがアウェーで4位ヴェローナと対戦。チステルナは翌6日に10位グロッタツォリーナとのホーム戦で5連戦がスタートする。
大塚は、チヴィタノーヴァとの準々決勝初戦で逆転勝利に大貢献して今季2回目のMVPを受賞したほか、第3、第4戦は2試合連続で先発メンバーに抜擢された。シーズン後半から出場機会を増やした垂水も、2月初旬に古豪モデナを倒した一戦では初の先発出場で初MVPを獲得。プレーオフでは4戦目の第4セットに途中出場して5得点をマークした。運動量とスピードを生かした果敢なプレーで、現地での認知度を確実に高めている両選手の5位決定戦にも注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
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