
F1日本GPのフリー走行3回目が行なわれ、マクラーレンのランド・ノリスがトップタイムをマークした。レッドブルの角田裕毅は9番手だった。ただこのセッションでもFP2に引き続きコース脇の芝生が燃える火災が2度にわたって発生。さらなる対策が求められる事態となってしまった。
2025年のF1日本GPも2日目。この日も素晴らしい天候に恵まれ、気温は14度、路面温度は38度というコンディションであった。風は初日はメインストレートで追い風だったが、この2日目はメインストレートで向かい風と逆向きになった。
初日FP2はクラッシュ2回、火災2回と合計4回の赤旗中断があったため、各車とも満足に走ることができなかった。そのため、FP3開始と同時に多くのマシンがコースイン。装着したタイヤは、ドライバーによって大きく分かれた。
なお火災の再発を防止するため、鈴鹿サーキットは夜間に芝を刈り、セッション開始前には散水して芝を濡らす対策を行なった。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンの1分30秒397を筆頭に8台のマシンがタイムを計測した段階で、またしても火災発生。今後はヘアピン先のターン12のコース脇の芝生が燃えてしまった。これで開始6分という時点で赤旗中断。8分の中断を経て、セッションが再開された。
セッション再開後、マクラーレン勢やフェラーリ勢がソフトタイヤを投入しアタック。フェラーリのシャルル・ルクレールが1分29秒107を記録して首位に立った。角田は赤旗中断前に引き続いてハードタイヤを履き、フェラーリ勢とマクラーレンに次ぐ5番手(1分30秒030)につけた。ソフトタイヤのルクレールのタイムと比較して約1秒遅れであり、これはまずまずのペースと言えよう。
上位勢はソフトタイヤで2アタック目を実施。ここでマクラーレンのオスカー・ピアストリが1分28秒768を記録して首位に立ち、これにルクレールが続いた。
角田は引き続きハードタイヤで周回を重ね、トップ4台に次ぐ5番手。その後もペースを上げ、1分29秒406までタイムを更新している。
マクラーレン勢の他にはラッセルも好調で、既に7周を走ったソフトタイヤで1分28秒385を記録して首位に浮上してみせた。
残り時間が20分を切ったところで、角田はソフトタイヤを投入。フェルスタッペンもソフトタイヤを履いた。またマクラーレン勢やフェラーリ勢は、このセッション2セット目のソフトタイヤを投入した。
ここで角田は6番手、フェルスタッペンは5番手。ふたりの差はコンマ1秒である。またこの間にピアストリがトップタイムを更新する1分27秒991を記録した。
アルピーヌのピエール・ガスリーやウイリアムズのアレクサンダー・アルボンも速さを見せ、レッドブルの2台を上回ってみせた。
フェルスタッペンはその後再びコースに戻り、5番手タイムをマーク。ただ2セット目のソフトタイヤで最初のアタックがうまくいかなかったノリスが改めてアタックを行ない、1分27秒965とチームメイトを上回るタイムを計測して首位に立った。
セッション残り7分というところで、コース脇の芝生が燃える火災が再び発生。今後は130R入口手前右側の芝生が燃えてしまったのだ。これでセッションは再び赤旗中断となり、その後再開されることなく終了となった。
結局角田は9番手で予選前最後のセッションを終えた。
それよりも問題なのは、やはりこのセッションでも2度にわたって起きてしまった火災である。前述の通り鈴鹿サーキットは、初日の走行終了後に再発防止のための対策を施したが、これが功を奏さなかった格好だ。鈴鹿サーキットの広報担当者によれば、FP3で火災が起きた2箇所は、共に芝を刈り、散水を施した場所だった。
この後行なわれる予選と決勝は、赤旗中断によりその展開が左右されてしまうことになりかねない。そういう事態を避けるためにも、サーキットにさらなる対策が要求されるのは必至と思われる。