CL圏内が遠のく痛い敗戦。三笘薫はビラ戦をどう受け止めたか。次節は鎌田大地を擁するパレスとの一戦「ここで取り返すしかない」【現地発】

 ブライトンが国内リーグで6試合ぶりに敗れた。

 4月2日にアストン・ビラをホームに迎えた一戦で、0-3で敗戦。試合を終えると、三笘薫は思わずその場で座り込むなど落胆が大きかった。サポーターへの挨拶を終えると、うつむきながら選手通路口に消えていった。

 それでも前半はチャンスを作った。16分と36分には三笘がペナルティエリア内からシュートを打った。いずれもアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスにキャッチされたが、ゴールまでの形はできていた。チャンスの数はブライトンの方が多く、試合の流れとしては決して悪くなかった。しかし後半に入って3失点──。試合の分岐点はどこにあったのか。三笘は言う。

「まずセットプレーの守備ですね。僕自身を含めて、やってはいけないミスもありました。2失点目も、自分たちから崩れたところがあります。攻撃も前半の良い形の時に決めきらないと、こういう展開になる。0-3の内容ではないと思いますけど、ディテールのところで彼らが上回ってたかなと」

 51分の1失点目は、ミスからゴールを許した。自軍CKでチーム全体が前掛かりになっていたところをカウンターで突かれて失点。CBルイス・ダンクの戻りが遅く、ロングパス1本で相手CFのマーカス・ラッシュフォードにGKと1対1の状況を作らせてしまったが、パス1本で決定機を与えてしまうというセットプレー時における極端な前傾姿勢も要因だった。

 2失点目は、新加入のCBエイラン・カシンの守備があまりにお粗末だった。中央からサイドに飛び出したかと思えば、縦パスのボールに触れることができず後逸。マークしていた相手ウインガーの突破も許し、やすやすとゴールを与えた。冬の移籍市場で英2部のダービー・カウンティから加わったアイルランド人DFはこの試合でプレミアデビューとなったが、極めて厳しい初陣となった。
 
 またVARでゴールが認められない場面もあった。

 0-1で迎えた55分、ヤシン・アヤリからパスを受けた三笘が肩から腕のあたりでトラップし、最後はシモン・アディングラがネットを揺らした。同点弾にスタジアム全体が沸いたが、三笘にハンドの可能性があるとしてVAR判定に。三笘はしきりにアピールしたものの、オンフィールドレビューで「ハンド」と判定された。

 試合後、三笘は「ベストは尽くしたつもりでしたけど、やっぱり(オンフィールドレビューなどで)見られるとそういう形になるかなと思います」とし、自身としてもハンドを取られたのは仕方がなかったと述べた。

 三笘個人にフォーカスすると、前半は効果的にチャンスに絡んだ。2本のシュートを打ったほか、28分にはロングボールをうまく胸でトラップし、シュートまで持ち込もうとした。この場面はマーカーに背後から倒されシュートを打てなかったが、良いリズムでチャンスを作っていた。

 しかし後半に入ると失速した。試合全体として考えると、アストン・ビラの粘着質の高い守備に苦しんだ格好で、得点もアシストも奪えなかった。

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 この試合で対峙したのは、アストン・ビラの右SBマティ・キャッシュ。守備時はほぼマンマークで三笘につき、日本代表がドリブルを仕掛けようとすれば、右MFやセントラルMFなど周囲の選手が必ずキャッシュのサポートに入った。三笘に対してダブルマークで対応した形だ。

 しかもキャッシュは、機を見て攻撃参加に繰り出した。タッチライン際を駆け上がると、三笘は自陣深くまで彼のマークについていった。三笘からすれば後手に回る印象の強かったキャッシュとのマッチアップについて、サムライ戦士はこう振り返った。

「彼も攻撃的な選手なので、前に出てくることもあった。そこについていかないと、というところもありました。1対1のシーンはなかなか多くはなかったですけど、自分としてはもっと深いとこまで侵入できればよかった。なかなかやらせてくれなかったところはありました」

 順位の上でも、今回の敗戦はあまりに痛い。

 試合前の順位は7位ブライトンで、2ポイント差の8位にアストン・ビラがつけていた。CL出場を目ざすブライトンとしては今回の直接対決を制し、さらにもう一歩、上位に進出したいところだった。しかしアストン・ビラに敗れ、両者の順位は逆転。ブライトンは8位に転落し、CL出場圏が遠のいた。
 
 そこで三笘に聞いてみた。「直接対決を落としたことに、思うところや感じるところはありますか」と。三笘は次のように語った。

「もうこれが実力だと思います。アストン・ビラはチャンピオンズリーグに出場し、ベスト8まで残っています。ブライトンはそういう実力と受け止めないといけない。でも僅差で、細かいところでの失点だった。その差は大きくないと思う。ここからそういうところを詰めていけば、チャンスはあるかなと思っています」

 繰り返しになるが、前半のパフォーマンスは決して悪くなかった。しかし自軍セットプレー時の隙を突かれて失点。リードを奪った後のアストン・ビラは非常にしたたかで、ブライトンは彼らに追いつけなかった。

 次戦は、5日に敵地で行なわれるクリスタル・パレス戦である。両軍はライバル関係にあり、ロンドンとブライトンを結ぶ高速道路の名にちなみ「M23ダービー」と呼ばれる。また鎌田大地との日本人対決としても注目が集まる。

 三笘は「もうどこのチームもCLを狙ってますし、最後はそういう気持ちのところが勝負を分けると思う。(クリスタル・パレスには)前期負けてますし、彼らは調子も良い。彼らのそういうところを出さないようにしないといけないかなと思います。ここで取り返すしかない」と気を引き締めていた。

取材・文●田嶋コウスケ

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