
[J1第9節]横浜FM 0-0 東京V/4月5日/日産スタジアム
東京ヴェルディをホームに迎えたJ1第9節、19位と降格圏に沈む横浜F・マリノスは相手を無失点に抑えたものの、一方の攻撃面では決定的なチャンスを作れず、スコアレスドローに終わった。勝点1を積み上げたが暫定順位は18位、降格圏から抜け出すことはできなかった。
スティーブ・ホーランド監督を招聘した今季、横浜F・マリノスは昨年の課題だった守備面(総失点数62/リーグ17位)の再構築に取り組むなか、1試合未消化ながら8節終了時点での総失点数が6と、1試合平均で1点未満だった。そして東京V戦も相手の得点をゼロに抑えており、着実に改善傾向にある。
しかし、一方で総得点数は4。攻撃的なアタッキングフットボールを標榜するチームとしては寂しい数字にとどまっている。さらに前節の名古屋グランパス戦と今節の東京V戦では、決定的なシーンすら作れず。チームとしてどう攻撃を仕掛けていくのか、その課題が突き付けられている印象だ。
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今のチームの状況を、選手たちはどう捉えているのか。
右SBでフル出場した宮市亮は、東京V戦を「勝点3を絶対に取りたかった試合でしたし、そういった気持ちで臨みましたけど、引き分けでした」と振り返りつつ、「なかなかゴール前にはいけなかったですけど、この前よりチームとしてコンパクトだったかなと思いますし、一人ひとりが戦う姿勢を出していたと思う。ここが最低限として、また積み上げていきたい」と前を向く。
また、勝点1を得られた点については「ポジティブに捉えたいし、下を向いていられない。次もフロンターレがあるので、みんなでポジティブに、また一丸となってやっていきたい」と語る。
ゴールマウスを守った朴一圭も、東京V戦に関しては「名古屋戦に比べれば全体としてラインを押し上げていましたし、前からプレッシングにいけた。ポジティブな点のほうが多かった。なかなか自分たちのリズムが作れなかったですけど、ここ2試合は失点が続いているなかで無失点に抑えられたのは嬉しいし、みんなのハードワークが実った」と語り、さらにこう続ける。
「ホームでのヴェルディ戦は絶対に勝たないといけない試合でしたけど、チームの現状として、どれだけ自分たちに力があって、どれだけ相手を上回る力があるのかっていうと、そうではない状況もある。それをみんながしっかり受け止めて、今の最善を尽くしていくっていう点では、内容は云々として、今日はそういうゲームをでできたと思う。これを続けていくだけ」
そして、リーグ戦では5試合ぶりにスタメンに名を連ねた天野純は「失点は今日(の東京V戦)もゼロで終えられているので改善できている」と口にした一方で、攻撃面に関してはこう述べている。
「アタッキングフットボールというチームコンセプトがあるなかで、少し物足りなさを、監督も含めて感じていると思います。ここ2、3試合は相手のほうが余裕を持ってプレーしていると、外から見ていて思っていました。そういった部分では本来逆じゃないといけない。監督は攻撃も改善できると言っているので、そこは選手の質の部分もある。良い選手が揃っていて、質は絶対あるので、その自信を持ち込めるようにしたい」
横浜FMのサポーターは東京V戦で「己と仲間を信じ抜け」という横断幕を掲げ、試合後には「ただ勝利だけを信じ」というチャントも送って選手たちを後押ししていた。そういった想いも原動力に横浜FMは、次節の川崎フロンターレ戦で勝利を掴みたい。
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)
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