
[J2第8節]千葉 2-1 水戸/4月5日/フクダ電子アリーナ
開幕6連勝後、ルヴァンカップとリーグの磐田戦で連敗を喫していた千葉は、ホームで水戸と対戦すると、CKのこぼれ球をミドルで叩き込んだ高橋壱晟のゴラッソで先制。後半に同点に追いつかれたが、終盤の田中和樹の得点で2-1と勝ち切った。
これで7勝1敗の勝点21。暫定で2位の大宮との勝点差を5に広げ、首位を走る。16年目のJ2生活で悲願のJ1復帰に向け絶好のスタートを切ったと言える。指揮3年目の小林慶行監督の下、ベースを大切にしつつ、より勝利にこだわる戦い方で勝点を積み上げている形だ。
オフにはエースFWの小森飛絢がベルギーへ移籍したものの、レンタル組を含めてその他の戦力を維持しつつ、CB鳥海晃司が5年ぶりに復帰し、FW石川大地、SB前貴之、CB河野貴志らを補強するなど、着々と準備を進めてきた。
そして2月には徳島を退団していたGKホセ・スアレス、リーグ開幕後の2月末には清水との契約を継続していなかったFWカルリーニョス・ジュニオの獲得も発表。勝負のシーズンへの覚悟を示していたのだ。
【動画】千葉・髙橋壱晟のゴラッソ!!
そのなかで髙橋壱晟のゴラッソで先制した水戸戦の前半は苦戦したが、ひとつのチャレンジをしていた。小林監督が明かす。
「このゲームは僕自身としても、チームとしても大きなトライでした。とんでもない能力を秘めた選手がシーズン始まってからやって来て、彼をなるべく早くチームに組み込まなければならないという状況があり、今のチームにおいてベストポジションがどこなのかを探す作業、それを探るうえでも本番で使ってみなければ分からないことがあり、しっかりとチャレンジしたかったです。
だから、なかなか上手くいかないことがあることは許容済みと言いますか、自分のなかでは前半のように細かいミスが生まれて、らしくないボールの奪われ方をすることも分かっていました。間違いなく起きると思っていたので。
チームとしての形があるなかで、新しい選手が馴染んでいくことは簡単じゃありません。そうでなくても、彼くらいの選手になれば“自分の形”がそもそもあって、それをチーム側が提供するのが普通だと思います。
そうではなく、今のチームに組み込んでいくことが僕自身のトライでもありますし、特に今後を見据えれば、これまでに作ってきた自分たちの形だけでは戦えないので。それを過去2シーズンで経験してきたからこそ、スペシャルな個が加わった時にそれを打ち破る、今まであったものを一回ぶっ壊すということも自分のなかでのチャレンジとしてありました。
前半に関しては、我慢しながら(髙橋)壱晟のスーパーなゴールがあって、こっちからすればラッキーだったと思います。ああいう形でセットプレーから点が取れたのですが、内容としては細かいミスがあったり、奪う位置が低くなっているから前に行けなかったり。カウンターも数回ありました。
(後半の)失点はボールを奪ったところから(鈴木)大輔のパスミスがあって、受け手の問題なのか、出し手の問題なのか分かりませんけど、今日に関しては奪ったボールの質が間違いなく自分たちの課題として明確に出ました。
押し込まれたからこそ前進していく作業はすごく難しいですが、水戸さんもそこからハイプレスかけてきますし、でもそれを掻い潜っていかないことにはただ守っているだけになってしまう。自分たちはこういう形で前進できるというのを示していかなければならないし、そこに辿り着けなければいけない。
チームとしての次のステップが明確に出た分、すごく収穫のあるゲームだったと思います。あとは、カルリーニョス・ジュニオをどう輝かせるか。そこはクラブとしても重要な課題になると思うので、継続的にチャレンジしていきたいと思います」
この日は4-4-2のシステムでC・ジュニオと石川大地の2トップでスタート。C・ジュニオは中盤に落ちながら攻撃に関わったが、清水でも結果を残してきた助っ人をどう活かすかが、今後のJ1への道にもつながりそうだ。チームとしてどう融合していくか注目である。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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