
2025年4月6日、なでしこジャパンがヨドコウ桜スタジアムでコロンビア女子代表と対戦。ニルス・ニールセン監督の下、4-3-3システムで臨んだなでしこジャパンは立ち上がりからハイプレスで相手の足を止めて徐々に主導権を握ったが、籾木結花のPK失敗、その後の失点もあり全体的に持ち味を出しきれなかった。結果的に高橋はなのPKでどうにか1-1に追いついたものの、「SheBelieves Cupの優勝は何だったの?」とそんな印象を抱かせる試合でもあった。
見方を変えれば、良い意味で課題が出たゲームだ。SheBelieves Cup制覇が過信に繋がらないようにするためにも、この段階で複数の問題が明らかになったのはポジティブである。
何より気になったのは組み立て時の両CBの質の低さ。熊谷紗希はパスを入れるタイミングが遅いうえにトラップの正確性に欠ける。一方で南萌華は安易な横パスを選ぶ傾向にあり、そのアクションが攻撃を停滞させる一因になった。チームの屋台骨となる最終ラインの中央部がそれでは世界一など目指せないので改善は不可欠。CBの一角には速さも技術もある古賀塔子を推したいが、もう一枚は…。若きCBの台頭が望まれる。
また、失点の場面ではヘディングシュートされる直前のGK平尾知佳のポジショニングが微妙に映った。より中央の位置で構え、最低でもパンチングで弾かないといけなかったのではないか。皮肉な形で、山下杏也加の重要性を示した感さえあった。
そしてCF。田中美南への依存度が高く(ニールセン体制下で全てスタメン出場)、彼女が前半途中で負傷欠場した今回のコロンビア戦ではこのポジションの戦闘力不足が明らかになった。途中出場した松窪真心はまずまず存在感を示したが、上野真実は相手の守備陣に呑み込まれた印象もある。30歳の田中に頼り切りになるのは危険。最前線にフレッシュな柱が欲しい。
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実際、チームの“背骨”となるCFとCBがぐらついているようでは未来が開けない。それを改めて気付かせてくれた点で、“本気モード”だったコロンビアには感謝したい。親善試合でも激しく、五輪やワールドカップを戦うようなテンションでプレーしてくれた彼女たちから学ぶことはたくさんあったはずだ。
谷川萌々子、浜野まいかが戦線離脱するなど、確かにアクシデントはあった。しかし、それも言い訳にならない。世界大会を戦うにあたり、選手全員が100パーセントのコンディションで臨めるケースはほとんどないのだから。アクシデントも想定したうえで勝利を目指し、勝利に導くのが指揮官の仕事である。
SheBelieves Cup優勝で「なでしこジャパンは今どんなサッカーをしているのだろう?」と新たに関心を持ってくれた方を結果と内容で魅了できなかったのは、正直、残念だ。ただ、改めて思う。この段階で課題を突きつけられるのは決してネガティブではなかったと。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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