【スターダム】ワールド王座戦敗者引退マッチがノーセコンドルールに 上谷が黒バラの花束で挑発も たむ逆襲で「負けたら即引退」要求

 4・27横浜アリーナ大会のワールド・オブ・スターダム選手権試合 完全決着敗者引退特別ルール「上谷沙弥vs中野たむ」へ向けた公開会見が8日、東京・ユナイテッドシネマ豊洲で行われた。

 年間最大のビッグマッチ・横浜アリーナ大会で王者・上谷と挑戦者・たむが赤いベルトと引退をかけて対決する。この日、調印式に先立ち、岡田太郎社長が「この二人の1対1の勝負を実現するため」にノーセコンドルールを提案。「このルールに了承していただけるのであれば、調印書にサインをいただきたい」と求めると、たむ、上谷の順でサインを入れた。

 3・3後楽園大会における敗者退団マッチで上谷に敗れ、フリーとなったたむはレスラー声明をかけた背水の陣。この1ヵ月間「引退マッチへの恐怖と戦ってきた」というが、一方で「スターダムは私にとって本当にすべてだということです。スターダムでプロレスができないなら、私はプロレスラーでいる意味がありません」との思いを改めて強くした。

 後がない戦いだが、「中野たむは何度も何度も地獄から這い上がってきました。絶望のあとはいつも希望の光をつかみ取ってきた」と自負。自らの力でレスラー人生代々の危機を乗り越えるつもりで、「人生最大の悪夢から必ず這い上がります」と誓うばかり。「上谷、あんたをプロレスに引き入れたのは私。狂ったあんたのプロレス人生を終わらせるのも私しかいない」と断言し、「中野たむが上谷沙弥に引導を渡し、女子プロレスの先導者となって皆さんのことを導きます。スターダムの夜明けが来ます」と横アリの先を見据えて宣言した。

 迎え撃つ上谷は昨年12月の両国大会におけるワールド王座戦、敗者退団マッチとたむに連勝中。これまでリング外でもたむを何度も襲撃し、徹底的に揺さぶりをかけてきた。たむは女子プロレス界に導いてくれた恩人だが、今は「最初は大好きだったはずなのに、今ではあの泣き顔すら心底憎い。毎日こいつのことで頭がいっぱいで本当に気が狂いそうになる。心の底から大嫌い」と憎しみの感情場爆発寸前。一方で「一つだけ感謝してることがある。それはプロレスに出会わせてくれたこと。中野たむがいなかったら私はプロレスに出会わなかった」と謝意を示した。

 闇墜ち前の上谷に戻ったかのような言葉だったが、それは錯覚だった。上谷は「今日はそんな感謝の気持ちを込めてプレゼントを持ってきた」と黒いバラの花束を用意。「黒いバラの花言葉、知ってる? もう楽になれるから中野たむ、引退おめでとう」とたむに向かって差し出した。

 たむも受け取ったものの、次の瞬間、花束で上谷をめった打ち。岡田社長に向かって「ノーセコンドルールともう一つ必ず誓ってください。後日改めての引退試合なし、引退ロードなし、セレモニーもなし。負けたら即引退!」と新たな条件を提示すると、「その瞬間、この世界から完全に消える。上谷、永遠にさようなら」と今から通告した。

【会見の模様】

▼岡田太郎社長「調印に先立ちまして、私の方から一つお話をさせていただければと思います。今回の4・27横浜アリーナでのワールド・オブ・スターダム選手権、完全決着するためにお互いのセコンド、ノーセコンドルールでやらせていただきたいと思っております。このルールに了承していただけるのであれば、この調印書にサインをいただきたいと思います。皆さんも証人です。またH.A.T.E.が介入してというところではなく、本当にこの二人の1対1の勝負を実現するために、このルールで調印をさせていただきたいと思います」

※たむ、上谷の順で調印書にサイン

▼たむ「宇宙の皆さん、こんにちは。宇宙一かわいいアイドルレスラーで、フリーの中野たむです。約1ヵ月前、敗者退団マッチで負け、フリーとして引退マッチへの恐怖と戦ってきました。改めて強く感じたことは、スターダムは私にとって本当にすべてだということです。スターダムでプロレスができないなら、私はプロレスラーでいる意味がありません(と感極まる)。でも、それ以上に皆さんのことをとても不安な気持ちにさせてしまっているということが申し訳ない気持ちでいっぱいです。いつどんな時も皆さんが愛を注ぎ続けてくれたから、私はどんな恐怖にも打ち勝って戦い続けてこれました。だから必ず皆さんにその愛をお返しします。中野たむは何度も何度も地獄から這い上がってきました。絶望のあとはいつも希望の光をつかみ取ってきた。人生最大の悪夢から必ず這い上がります。皆さん、この生き様をともに戦ってください。上谷、あんたをプロレスに引き入れたのは私。狂ったあんたのプロレス人生を終わらせるのも私しかいない。あんたはたむに情けをかけたこと後悔することになる。でも、もう戻れない。4・27、中野たむが上谷沙弥に引導を渡し、女子プロレスの先導者となって皆さんのことを導きます。スターダムの夜明けが来ます。どうか信じてついてきてください。ありがとうございました」

▼上谷「第20代ワールド・オブ・スターダムチャンピオンの上谷沙弥だ。中野たむとはこれまで本当にいろいろなことがあった。最初は大好きだったはずなのに、今ではあの泣き顔すら心底憎い。毎日こいつのことで頭がいっぱいで本当に気が狂いそうになる。心の底から大嫌い。でも、一つだけ感謝してることがある。それはプロレスに出会わせてくれたこと。中野たむがいなかったら私はプロレスに出会わなかった。だから今日はそんな感謝の気持ちを込めてプレゼントを持ってきた」

※上谷が黒いバラの花束を手に

▼上谷「黒いバラの花言葉、知ってる? もう楽になれるから中野たむ、引退おめでとう」

※たむに向かって花束を差し出す。たむも受け取ったものの

▼たむ「ナメんな、このヤロー!」

※と花束で上谷を何度も殴打。上谷の顔を足蹴にすると

▼たむ「ラストランはてめえだけだ! あんたの一生のトラウマになってやる。社長、ノーセコンドルールともう一つ必ず誓ってください。後日改めての引退試合なし、引退ロードなし、セレモニーもなし。負けたら即引退! その瞬間、この世界から完全に消える。上谷、永遠にさようなら」