「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する、「いつ使うか分からない」呪文として名前が挙がりがちな「ニフラム」「バシルーラ」にも、あると便利なシーンがありました。HD-2D版『ドラクエ3』では、特に「ありがたい」存在になりました。



「試練の神殿」では強敵「パンドラボックス」が厄介!

【画像】え…なんて美麗… コチラがいのまたむつみ先生による『ドラクエ3』イラストです(画像:3枚)

「こんな呪文いらないじゃん…」と思ってました

「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する、「いつ使うか分からない」呪文として代表的なものとして、習得前に代替できるアイテムが手に入ることの多い「アバカム」や「レムオル」などが挙げられます。また、敵を消し去ることができるものの、経験値やゴールド、ドロップアイテムが手に入らない「ニフラム」や「バシルーラ」も、ひんぱんに使う呪文ではありません。ところが、ニフラムとバシルーラには「輝く」使い道がありました。

『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』で初登場し、大人気となった「仲間モンスターシステム」において、ニフラムが便利な場面があります。仲間になるのは、最後に倒したモンスターが対象となります。ところが、「はぐれメタル」を仲間にしたい場合、先にほかのモンスターを倒そうとすると、その間に逃げられてしまう可能性があります。かといって、はぐれメタルを真っ先に狙って倒すと、「最後に倒した敵」とはならないジレンマが発生してしまいます。

 そこで、はぐれメタルを倒したあと、残ったモンスターをニフラムで消し去ります。すると、「最後に倒した敵」は、はぐれメタルとなるのです。ただ、スーパーファミコン版でニフラムを習得するのが仲間モンスターの「スライム」と「クックルー」のみ。スライムはレベル上限が99なので、コツコツ育てれば活躍の機会もあるでしょうが、クックルーはレベル上限が20と低く、青年期序盤以降も使うのは難しいところです。

 ではバシルーラはどうかというと、「敵に使われると厄介だが味方側は使いづらい」呪文でした。HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』で仕様が変更され、飛ばされた仲間は戦闘終了後に戻って来るため、ルイーダの酒場に迎えに行く必要がなくなりました。

 さらに、クリア後の裏ダンジョンである「試練の神殿」で、大いに役立つ呪文となりました。5つある試練のうちふたつでは、ボスである「パンドラボックス」を撃破しなくてはなりません。ボスとしてのパンドラボックスは、ダンジョン内にザコ敵として登場するものより強力です。

 周到に準備を整え、戦闘に挑むと、複数回行動や「ザラキ」、「メダパニ」などで味方側はガタガタに。守備力、HPともに高く、なかなか倒れてくれません。ところが、パンドラボックスにはバシルーラが効きやすく、いともあっけなく戦闘を終了させることができるのです。この段階になるとゴールドは使い道がありませんし、経験値稼ぎは「メタル狩り」をしたほうが効率的です。さっさと倒して、試練を終えてしまいたいプレイヤーにとっては「バシルーラ、ありがたい!」と初めて感じる瞬間かもしれません。

HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』:
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