ファミコン初期に発売されたスポーツゲーム『サッカー』を、友達と遊んだ記憶をもつ方は多いでしょう。大人になった今改めて遊んでみると、シンプルな面白さに驚きます。
ファミコンソフト『サッカー』(任天堂)のパッケージ
【画像】えっ、チアダンスもあるの? これが『サッカー』ハーフタイムの「お楽しみ」です(9枚)
日本代表チームの「色」が謎?
2025年3月に、マグミクスでスーパーファミコン用ソフト『ジーコサッカー』を取り上げたところ、読者から寄せられた感想のなかに「ファミコンの『サッカー』こそ名作」といった趣旨のコメントがありました。
『サッカー』とは、ちょうど40年前の今日、1985年4月9日に任天堂から発売された、ファミコン初期のスポーツゲームです。当時はほかにも『ベースボール』『ゴルフ』『テニス』など、種目名そのまんまのスポーツゲームが複数発売されていましたが、この『サッカー』は、特に友達との対戦プレイを楽しんだ人が多いのではないでしょうか。
筆者も当時遊んだ記憶はあるのですが、さすがに細部がどうだったかは思い出せません。ただ、「名作」であるというコメントがきっかけで興味がわいてきたので、発売から40年の節目に、改めてプレイすることにしました。
タイトル画面で「1人プレイ」を選んでスタートすると、チームやコンピュータの強さ、プレイ時間を選ぶ画面になります。選べるチームはアメリカ、イギリス、フランス、ブラジル、日本、スペインの6か国。チームによる戦力差はないそうですが、日本チームのユニフォームの色が「ピンク」なのが気になります。
ゲーム発売当時の1985年前後も、日本代表のユニフォームは青または白で、ピンクはさすがにイメージから離れています。ともあれ、この日本チームを選び、コンピュータの強さは「3」、時間は「15」にして試合を始めます。
相手ゴールにシュートが決まった瞬間。難易度「3」以上だと相手の守備もそこそこ固いので、ゴールの喜びもひとしお
(広告の後にも続きます)
意外? サッカーの「面白さ」じわじわと
ピッチに登場したのは1チームあたり6人(キーパー含む)、計12人の選手です。本来のサッカーは1チーム11人ですが、遊びやすさを考慮して6人としたのでしょう。
キックオフは自動で行われ、ボールが動き始めます。操作はいたってシンプルで、自分のチームがボールを持っている時は、十字キーで選手を動かしてドリブル、Bボタンで味方へのパス、Aボタンで相手ゴールにシュート。守備時は、Bボタンを押すとボールに近い味方選手が操作可能になり、十字キーで彼らを動かしてボールを奪います。相手にシュートを撃たれたら、キーパーを動かして守るなど、自動で攻守が切り替わります。
感心したのは、攻撃時に前にいる味方にパスをつなごうとすると、きっちり「オフサイド」を取られることです。ほかにも、スローインやゴールキック、同点で試合終了した場合はPK戦になるなど、現実のサッカーのルールに則ったゲーム内容で、意外にも本格的です。
味方のパスを受ける時も、ボールの受け方次第で戦局がガラッと変わります。操作を誤ると敵にボールを献上してしまいますが、うまく回り込んで敵をかわせば相手ゴールに迫り、ワクワクする場面も。守備時には、タックルを仕掛けるなどのアクションはありませんが、ある程度プレイを重ねると、相手のボールの動きを見極めてボールを奪うことができるようになってきます。
一見シンプルに見えて奥が深く、2回、3回とプレイするごとにサッカーの面白さが感じられるのです。執筆のために短時間遊ぶつもりが、時間を忘れて楽しんでしまいました。
この『サッカー』には、トーナメントやリーグ戦といったプレイモードはありません。1試合が終わったらタイトル画面に戻るだけで、本当にシンプルです。気軽にサッと楽しんで、繰り返し遊べる。そして、大人になった今でも、家族や友達と対戦プレイをすれば大いに盛り上がりそうだと感じました。
※ファミコン版『サッカー』は、「Nintendo Switch Online」に加入することで遊べる『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』に収録されています。