【全日本】CC開幕 鈴木がメイン締めで「俺が全日本プロレスの鈴木秀樹だ!」 昨年覇者・宮原は黒星スタート

『チャンピオン・カーニバル2025』後楽園ホール(2025年4月9日)
Aブロック公式戦 ○鈴木秀樹vs宮原健斗×

 チャンピオン・カーニバル開幕戦のメインで鈴木が宮原に激勝。「俺が全日本プロレスの鈴木秀樹だ」と力強く宣言した。一方、連覇を狙う宮原は黒星スタートとなった。

 昨年覇者・宮原は今年、連覇がかかる。3・29大田区大会で三冠王座獲りを逸した最高男は春の祭典で捲土重来といきたいところ。この日の開幕戦では自らヤマ場と定めた鈴木との初戦に臨んだ。

 熱のこもったグラウンド戦で幕開け。鈴木がねちっこい攻めでペースを握ったものの、宮原もフロントハイキックで場外に叩き落とし、これでもかと頭突きを乱射していく。負けじと鈴木はこん身の力で鉄柵に投げつけて客席まで最高男を吹き飛ばすと、エルボースマッシュでカチ上げた。馬乗りになってナックルパンチを連打して宮原を大の字に追い込む。リングアウト寸前で宮原がなんとか戻ったものの、鈴木はなおも攻勢を続けた。

 宮原が低空ドロップキックから側頭部へのドロップキックにつなげる得意パターンを狙っても、鈴木は空振りを誘い、変型羽根折り固めで絞め上げた。立ち上がれない宮原に「健斗」コールが発生する。鈴木は両手両足を順番に踏みつけ、ネックツイストで追い討ち。苦しい状況に追い込まれた宮原だったが、今度こそ低空ドロップキック→側頭部へのドロップキックでペースを奪うと、スネークリミットに捕獲して、お返しとばかりに絞め上げる。鈴木の動きが鈍ると、エプロンでのパイルドライバーをさく裂。今度は鈴木が場外で大の字になった。

 鈴木がリングに戻った瞬間、宮原はブラックアウトをズバリ。だが、鈴木もカナディアンロッキーバスターで試合を五分に戻す。ハンマーロックに固めた状態で腹部にエルボーを猛連打。変型メキシカンストレッチでも拷問するが、払いのけた宮原がスタンディングブラックアウトで必死の抵抗を見せる。鈴木は側頭部に何発もエルボーを振り下ろし、胸板を蹴り上げてからダブルアームスープレックスを仕掛ける。

 投げさせてなるものかと宮原は執念のリバース。再びスタンディング式ブラックアウトを叩き込むと、鈴木は前のめりに崩れ落ちた。立ち上がるのを待ち受けた宮原は正調ブラックアウトからシャットダウンスープレックスの体勢に。逃れた鈴木は腹部にチョップを連打すると、今度こそダブルアームスープレックスをズバリ。クラッチを解かずに再度ダブルアームで投げ飛ばして、宮原を下した。

 鈴木が宮原を熱戦の末に破って、開幕戦に激勝。試合後、「秀樹」コールを受けた鈴木は「今日は勝つ予定だったので、それなりの喋りたいこととかを用意してきたけど、やっぱり止めます。それはこのチャンピオン・カーニバル2025開幕戦だけではなくて、宮原健斗との僕の人生を懸けた一騎打ちだったから、言葉で汚すことはしなようにします」と語りつつ、「でも、ちょっとだけ」と思いの丈を口にし始めた。

 「記者会見で言った通り、宮原健斗が全日本プロレスだという気持ちは今この瞬間においても変わっていません。僕が全日本プロレスに入って何ができるか考えました。中を盛り上げていくのは若い選手たち、それから、宮原健斗、青柳優馬、両選手がいます」と話したうえで「もし、全日本プロレスになにか外からの引きがあった場合は、すべて僕が相手をします。外部の人間が誰の名前を出そうとも、出るのは鈴木秀樹だけです。それでもやりたいなら、プロレス界やって見ろ。俺はめんどくせえぞ」と宣言。「試合だけじゃねえからな。SNSでも掻き回してやる」と続けると、「だから、今日来てくれたお客さん、それからマスコミ関係者、プロレス界よく見とけ。俺が全日本プロレスの鈴木秀樹だ。ありがとう」と力強く言い放ち、チャンピオン・カーニバル開幕戦となった後楽園大会を締めくくった。

 鈴木の次戦は4・12福岡大会。因縁を引きずる芦野と対戦する。一方、宮原も同じく福岡大会で、初日を目指して真霜と激突する。

【試合後の鈴木】

▼鈴木「リング上で言った通りです。いろんなこと喋ることによって汚したくないので、自分からは喋りません」

――最後の「全日本プロレスの鈴木秀樹だ」という言葉の意味、思いは?

▼鈴木「それは一番わかったんじゃないですか。10年ぐらい前かな。YouTubeでGAORA TVの公式のサイトに上がっていて。僕がWRESTLE-1に上がった時の2試合を最近見て、ああ、面倒くせえヤツだったなと思って。僕自身もお客さんも…お客さんはそうでもないか。マスコミの皆さんもどっかでなあなあになってしまったかなと思うんで。本来僕はそういう人間ですから。皆さんの言うことは聞かないし、皆さんの世界の常識は僕には関係ないし。それが嫌だったら、別に僕を取材しなくても結構です」

――宮原健斗選手との一戦は言葉で怪我したくないと言っていたが…

▼鈴木「だから、喋らないって言ったじゃないですか。試合を見て書いてくださいよ。試合見てください。そうしたら書けるから。俺、プロじゃないけど」

【宮原の話】「強えな。まだ目の前がボワーッとしてるよ。皆さんのカメラがボワーッとにじんで見えるよ。なんだ、あんな強いヤツがまだいたんだな、この世界に。なんかよ、この世界に入った時のことを思い出すような打撃、スープレックスだったよ。この世界に入った時を思い出したよ。ああいうヤツがよくいたな。ああいうエルボーの1つ、蹴りの1つが強えレスラーがな。あいつは唯一無二だ。今、この時代もああやって生きてるんだな。そんなヤツが全日本プロレスにいると思ったら恐ろしいよ。開幕何年連続だ? 俺が負けからスタートしてるのは。ただよ、俺はもうポジティブ人間を取り戻したからよ。ここ数年、負けからスタートした時は必ず優勝決定戦の舞台に進んでるんだな。次は今週土曜日、福岡だ。俺の地元だ。このスーパースターを育て上げた場所・福岡だ。真霜拳號、久しぶりだな。お前もまだ入場曲も格好も何も変わってねえな。お前こそアンチエイジングだ、真霜拳號。てめえの年齢なんて想像もつかねえ。高揚してんのか、そもそも。あいつ変わんねえな。福岡で真霜拳號、お前を利用させてもらう。負けからスタートした時は俺が必ず優勝決定戦に進む。そして、俺が優勝しなきゃ日本のプロレスファンは面白くねえだろ」