血みどろで人を殺すなど、グロテスクなシーンが描かれるマンガが原作の実写映画は、これまで数多く作られてきました。なかには、いまをときめく人気女優たちが出演していた作品もあり、現在のイメージとは少し違った一面を見ることができます。
川口春奈さん(2020年2月、時事通信フォト)
【画像】え…っ? 「ほとんど主演級」「パッケージだけで衝撃」こちらが12年前の川口春奈さん主演過激映画です
いまじゃもうやらない? 過激な実写版映画に豪華女優の顔ぶれが
マンガが原作を実写化映画では、キャスティングに多くの注目が集まります。なかには、いまや数々の作品で活躍する人気女優たちが、若手時代に出演し過激な役柄を演じていた作品もあり、現在のイメージとは異なる一面も垣間見ることができます。
『絶叫学級』
少女マンガ誌「りぼん」(集英社)で連載された、いしかわえみ先生の人気ホラー作品『絶叫学級』は、2013年に川口春奈さん主演で実写映画化されました。
物語は、目立たない女子中学生「荒木加奈(演:川口春奈)」が、親友の「香取絵莉花(演:松岡茉優)」から旧校舎にまつわる都市伝説を聞いたことをきっかけに、壮絶な展開へと発展していきます。
心霊ホラーの要素もさることながら、弁当に大量の虫を入れるなどいじめの描写がかなり強烈で、「人間が一番怖い」と思ってしまう場面が多数登場しました。また、いじめっ子の「高見沢リオ」役で広瀬アリスさん、「増田彩華」役で池田エライザさんが出演しているほか、教師の「保坂まこと」役に波瑠さん、都市伝説に深くかかわる幽霊の「黄泉」役には山本美月さんと、いま観ると衝撃的なほど豪華なキャストがそろっているのも見どころです。
公開から年数が経った現在も、若手時代の実力派キャストたちを目当てに視聴する人も多く、「先見の明がすごい作品」などともいわれています。
『ミスミソウ』
2007年から2009年まで「ホラーM」(ぶんか社)で連載された押切蓮介先生のマンガ『ミスミソウ』は、2018年に実写映画化されました。原作はあまりにダークな世界観や、残酷描写から「メンチサイド(精神崩壊)ホラー」とも呼ばれているほどの衝撃作です。
東京から田舎町の学校に転校した「野咲春花(演:山田杏奈)」は、同級生たちからの陰湿ないじめがエスカレートした結果起きた火災で両親を失い、妹が全身に大やけどを負ったことをきっかけに、復讐に身を投じていきます。
劇中では、いじめっ子の目に釘を突き刺す場面や、同級生との壮絶な殺し合いなど、原作に忠実な血みどろの描写が展開され、公開時はR15+に指定されるほどグロテスクなシーンが満載でした。
徐々に心を壊していく春花は、映画初主演で当時17歳だった山田さんが演じており、無表情で口数は少ないものの、心の奥底で復讐に燃える演技は原作ファンファンやホラー好きから好評を得ています。
山田さんは2024年に実写版『ゴールデンカムイ』で、変顔やかわいらしい性格が特徴の「アシリパ」役を演じており、そのイメージのまま本作を観るとギャップに驚くかもしれません。ただ、雪のなかでの戦闘や、いざというときの鋭い眼光などは通じる部分もある役柄です。
『羊とオオカミの恋と殺人』
裸村先生のマンガ『穴殺人』を原作とした映画『羊とオオカミの恋と殺人』は、2019年に公開されました。本作は大学受験に失敗した青年「黒須越郎(演:杉野遥亮)」と、アパートの隣人「宮市莉央(演:福原遥)」のいびつな恋愛模様を描いています。
越郎は自殺に失敗した際に開けてしまった部屋の壁の穴から、莉央が人を殺す現場を目撃しました。そして、莉央が殺人に快楽を感じるシリアルキラーであることを知りつつも、その危険性も込みで越郎は彼女に惹かれていきます。
莉央を演じた福原さんといえば、NHKの教育番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』の柊まいんちゃん役を筆頭に子役時代のイメージが強かったため、笑顔で殺人を楽しむ姿に衝撃を受けた方も多かったようです。
また、福原さんは本作の翌年に放送されたドラマ『ゆるキャン△』で落ち着いた雰囲気の主人公「志摩リン」を演じており、振り幅の大きい演技力に驚く声もあいついでいます。