スイッチの後継機として期待を集めるNintendo Switch 2の詳細が発表され、価格も4万9980円(※国内専用版)と判明しました。任天堂にしては高めの価格設定ですが、かつてそれを上回る高額のゲーム機を販売した過去があります。



1980年に任天堂が発売した「コンピュータTVゲーム」。

【画像】えっ、高すぎ! こちらがスイッチ2よりも高い「昭和の高額ゲーム家電」です(5枚)

この高額ゲーム機と比べると、スイッチの2の価格は納得?

 2025年4月2日に配信された「Nintendo Direct: Nintendo Switch 2 – 2025.4.2」にて、期待の次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2」(以下、スイッチ2)の詳細が発表され、価格もで4万9980円(※国内専用版)円と判明しました。

 任天堂にしては高めの価格という印象もありますが、ライバル機と比べるとその違いは歴然であり、スイッチ2でも低価格路線を貫いていることがうかがえます。

 ゲーム機の価格を抑え、手に取りやすい戦略を貫いてきた任天堂。しかし過去に、スイッチ2をも凌ぐ価格のゲーム機を販売したこともあったのです。

「カラーテレビゲーム」から「ファミコン」の間にあった、任天堂の高額ゲーム機

 任天堂の据え置き型ゲーム機の歴史を紐解くと、ファミコンまでさかのぼればいいと考える人も少なくないでしょう。しかし同社は、ファミコン以前にも家庭用の据え置き型ゲーム機を展開していました。つまり原点は、1983年発売のファミコンではなく、1977年の「カラーテレビゲーム」シリーズになります。

 ただし、今回の本題となる価格の高いゲーム機は、この「カラーテレビゲーム」ではありません。廉価版の「カラーテレビゲーム6」は9800円、標準版の「カラーテレビゲーム15」も15000円と、当時のゲーム機の水準と比べても低めの価格でした。

 任天堂は、この「カラーテレビゲーム」以降もゲーム機を複数展開しており、そのなかのひとつ「コンピュータTVゲーム」が、なんと48000円という高価格で販売されていたのです。これは、現在活躍しているスイッチの有機ELモデル(37980円)も軽く上回っており、これほど高いゲーム機を昭和時代に出していたことに驚いた人も多いことでしょう。

価格も性能も割高感のある「コンピュータTVゲーム」

 しかも、この48000円という数字は、額面だけでは計れない価格です。当時といまとでは物価や相場も異なり、数字は同じでも価値にさらなる隔たりがあるためです。

 例えば、1977年における大卒初任給は約10万円というデータもあります。「コンピュータTVゲーム」を買うと大卒初任給の約半分が消えてしまうと考えると、48000円という数字がより重く感じられます。現代に置き換えると、その衝撃はさらに増すはず。

 また、「コンピュータTVゲーム」が高額と感じられるのは、価格や時代の差だけが理由ではありません。実は、「コンピュータTVゲーム」で遊べるゲームは「リバーシ」のみ。1種類のゲームしか遊べない据え置き機だったのです。

 1977年という時代のなかで、48000円という高額な、そして遊べるゲームがとことん限られていた「コンピュータTVゲーム」。当然、売れ行きも芳しくはなく、TVゲーム史の影にひっそりと佇む存在として幕を閉じました。

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 長年、低価格路線を貫いている任天堂ですが、色々な意味で「お高い」据え置き型ゲーム機を出した過去もありました。これだけ割高なゲームの存在を踏まえると、スイッチ2ので4万9980円はむしろ安く感じるかもしれません。