
レッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めるのが、F1でいかに厳しい役割なのか、世界中がまざまざと見せつけられている中、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)はその厳しい挑戦に挑みたいと語った。
昨シーズンにセルジオ・ペレスが苦戦しシートを失った後、リアム・ローソンが後任に選ばれたが、レッドブルはローソンをわずか2戦で見限り角田裕毅とシートを入れ替えるという非情な決断を下した。
一方、ハジャーは過去3戦で黙々と仕事をこなしてきた。この20歳のフランス人ルーキーはF1デビュー戦のオーストラリアGPでスタート前に痛恨のクラッシュを喫したが、中国GPでは予選7番手と力強い走りを見せ、前回の日本GPでは8位入賞で初ポイントを獲得した。
レッドブルのドライバー交代劇の陰に隠れていたハジャーだが、その状況を間近で見てきたことで、将来の昇格に意欲を燃やしている。
「正直に言って、マックスの隣にいることが本当に難しいように思える今、なぜ、何が起こっているのかを突き止めるためにも、よりレッドブルに行きたくなる。それが今でもメインターゲットなんだ」
「これ以上、仕事をしなくていいってわけじゃない。僕は常に結果を出し続けなければいけないというプレッシャーをかけてきた。今、人々からの期待は少し高まっているかもしれないけど、僕は自分がやるべきことを続ける」
「シーズン前に言ったように、僕の目標はこのまま……もしクルマが9位か8位でフィニッシュできるのなら、僕はそこにいたい。結果を最大化するんだ。クルマがトップ10に値するなら、僕はそれを実現する必要がある」
実際、ハジャーは現状レッドブル勢の中でフェルスタッペンに次いでポイントを稼いでいるドライバーだと言える。レッドブルに移籍した角田にとっての課題は、ローソン以上の結果を出し、ポイントを稼いでフェルスタッペンを援護することになってくる。一方のローソンは、レーシングブルズでキャリアを立て直す必要がある。
フェルスタッペンがF1日本GPで優勝したとはいえ、レッドブルRB21と比べてレーシングブルズのVCARB 02の方がパフォーマンスを発揮できるオペレーションウィンドウが大きく、運転しやすいマシンであることは広く受け入れられている。
ローソンは、レッドブルとレーシングブルズのマシンの違いについて、次のように話した。
「おそらくそれ(マシンの違いについての評価)はフェアだと思う。間違いなく(レーシングブルズの方が)ウインドウは大きいし、ドライブしやすい。でもレッドブルが運転できないとは限らないと思う。ただ、快適さを得るにはもう少し時間がかかるかもしれない」
「(レーシングブルズのマシンは)昨年とクレイジーなほど違うわけではない。だから、今季序盤にドライブしていたマシンから戻るための調整という感じだった。かなり違いはあるけど、フィーリングは良いよ」
「(日本GPの)週末も、自分たちの実力をきちんと示すことはできなかったと思う。残念なことに、クオリティの面で出遅れてしまった。でも、全般的にはかなり快適に感じた」
バーレーンGPでもハジャーは好調をキープ。ローソンがFP2で12番手だったのに対し、ハジャーは6番手タイムを記録している。