レッドブル育成ツォロフが優勝。鮮烈デビュー飾った16歳スレイターとの接戦を制す|FIA F3バーレーン スプリントレース

 バーレーン国際サーキットを舞台に開催されているFIA F3第2戦。4月12日(土)のスプリントレースでは、レッドブル育成のニコラ・ツォロフ(カンポス)が優勝した。

 前日の予選では、開幕戦メルボルンのフィーチャーレースを制したラファエル・カマラ(トライデント)が最速。スプリントレースでは予選上位12名がリバースグリッドに並ぶため、予選12番手のジョシュア・ドゥフェク(ハイテックTGR)がポールからのスタートとなり、チームメイトでマクラーレン育成のマルティニウス・ステンショーンがフロントロウに並んだ。

 グリッド3番手には、先日開催されたフォーミュラ・リージョナル中東選手権(FRMEC)でランキング2位と活躍し、今回がF3デビュー戦となるフレディ・スレイター(AIXレーシング)がつけた(なんと16歳!)。

 燦々と日差しがサーキットを照らし気温37度、路面温度51度という厳しいコンディションの中、19周のスプリントレースがスタート。カマラがスタートで痛恨のストールを喫して最下位に転落する一方、ステンショーンが首位ドゥフェクを激しく攻め立てる中で、スレイターがオープニングラップのターン4で隙を突き2番手に浮上。スレイターの勢いは止まらず、3周目のターン1でドゥフェクのインを差してトップに立った。

 しかし4周目のターン1で後方を走っていたマクラーレン育成のウーゴ・ウゴチュク(プレマ)が、同じくマクラーレン育成でチームメイトのブランド・バドエルが接触。この影響でウゴチュクのマシンがストップし、セーフティカー(SC)が出動となった。

 レースは7周目に再開となり、スレイターはF3で初めてのSCリスタートを隊列の先頭から迎えたものの、リードを保つことができた。ただ、9周目以降は2番手に浮上してきたツォロフがDRSを活用して襲いかかった。

 スレイターは2周にわたってツォロフの攻撃を交わし続けるも、11周目のターン1で勝負あり。ツォロフが先頭に躍り出た。

 ツォロフに先行を許したスレイターだったが、その後もDRS圏内で留まり続け、3番手に浮上してきたフェラーリ育成のトゥーカ・タポネン(ARTグランプリ)を従えて首位のツォロフを追いかけた。

 しかし15周目にイヴァン・ドミンゲス(VAR)がターン1でスピンを喫し、アウト側を周っていたドゥフェクが巻き添えに。2台がストップしたことでこのレース2回目のSC出動となった。

 各車のギャップが縮まり18周目から再開。「左フロントタイヤが完全に終わってしまった」と無線で告げた首位ツォロフに対して2番手のスレイターが襲いかかり、2台が再び接触スレスレの激しい接近戦を繰り広げ、タポネンも虎視眈々と隙を伺った。

 しかしツォロフはファイナルラップまでポジションを守りきり、トップチェッカーを受けた。スレイターは優勝を逃して肩を落としたものの、F3デビュー戦で2位表彰台を掴んだ。タポネンにとってもF3初表彰台となった。