毎年何本も作られるマンガや小説の実写化映画のなかには、子供には見せられない内容かつ、いま観るとかなり豪華なキャストが集結しており驚かされる年齢制限付きの作品もありました。



3rd写真集「カレイドスコープ」のなかの橋本環奈さんのショット(講談社)

【画像】え…っ?「そんな役やってたっけ」「過激すぎる」 こちらが橋本環奈さん主演のR指定映画です

リバイバル上映中の人気作も

 毎年数々の人気マンガ、小説が実写映画化されており、原作をどの程度再現しているのか、改変しているのかなどさまざまな点が話題になります。なかには原作の過激で凄惨な内容を逃げずに描写し、子供は観られない年齢制限付きの作品となったものもありました。意外な豪華キャストの演技も見どころの作品を振り返ります。

『隣人13号』R15+

 2005年公開の『隣人13号』(原作:井上三太)は、顔に硫酸を浴びるほどのいじめをきっかけに、気弱な主人公「村崎十三(演:小栗旬)」に凶暴な別人格「13号(演:中村獅童)」が生まれ、いじめの主犯格「赤井トール(演:新井浩文)」に復讐する壮絶な物語です。

 十三は大人になって赤井と同じ職場に入社するも、赤井は彼を覚えておらず、さらに事故のふりをして角材で殴り付けられるなど、さらにひどい目にあいます。一方で、別人格の13号は、赤井への報復のため彼の家族もターゲットにするのでした。

 13号の赤井の愛する息子への所業や、騒音トラブルで揉めた隣室の男性がたどる顛末など、トラウマを抱えた主人公とはいえ同情もしづらくなるほどの凄惨な場面が続く作品で、視聴には注意が必要です。13号役の中村獅童さんをはじめとするキャストの鬼気迫る演技や、どこからどこまでが現実か分からなくなるような衝撃的ラストも語り継がれています。

『シグナル100』R15+

 同じく中村獅童さんが忘れがたいキャラを演じた映画『シグナル100』は、宮月新さん(原作)と近藤しぐれさん(作画)による同名マンガが原作で、2020年に橋本環奈さん主演で公開されました。

 本作は、クラスが学級崩壊し教え子たちからひどい扱いを受けていた担任教師「下部(演:中村獅童)」によって、私立聖新高等学校2年C組の生徒たちが、特定の行動をとると自殺してしまうという「自殺催眠」をかけられるホラー作品です。この「自殺催眠」は、大笑いする、写真を撮る、遅刻する、といった何気ない行動がトリガーとなり、逃れようがありません。

 ほかの全員が死なない限り自分は助からないという極限状態のなかで、クラスメイトたちは目に刃物を刺したり、舌を自分で引きちぎったりと、トラウマ級の死に方をしていきました。88分というタイトな上映時間のなかで、容赦ない展開が描かれ、主人公「樫村怜奈」役の橋本さんほか、クラスメイトたちの演技も話題となっています。特に怜奈に嫉妬する「箕輪紀子」を演じた、恒松祐里さんの狂気的演技は必見です。

『バトル・ロワイアル』R15+

 デスゲームものの金字塔的映画で、2025年4月現在リバイバル上映中の『バトル・ロワイアル』(2000年)は、高見広春さんの同名小説を『仁義なき戦い』や『蒲田行進曲』で知られる深作欣二監督が実写化した作品です。主人公「七原秋也」を藤原竜也さんが演じているほか、「相馬光子」役の柴咲コウさん、「千草貴子」役の栗山千明さん、「桐山和雄」役の安藤政信さん、「三村信史」役の塚本高史さん、「川田章吾」役で現在は政治家の山本太郎さんなど、驚くような豪華キャストが出演していました。

 本作は政府が施行した「新世紀教育改革法」、通称「BR法/バトル・ロワイアル」によって、毎年ランダムに選ばれた中学校の1クラスが無人島での殺し合いを強制される、という物語です。殺し合いが始まる前から、私語をした女子が担当教官「キタノ(演:ビートたけし)」にナイフを投げつけられて死亡するなど、終始凄惨で衝撃的内容が続きますが、各生徒たちのキャラが濃く、ただ殺し合いに参加するだけではない二転三転するストーリーもあり、飽きさせません。

 特に、原作と違ってバックボーンの掘り下げがないうえに、自ら志願してデスゲームに参加しているという設定になった桐山を演じた安藤政信さんの怪演は、「セリフがほぼないのも相まって、強敵感が終始半端なかった」「無口無感情な狂気の殺戮マシーンで、いかにもやべーヤツ感漂わせてるすごい演技」などと、絶賛されました。

 ちなみに、『バトル・ロワイアル』は原作小説、映画、マンガ版(作画:田口雅之)で、それぞれ展開や生徒のキャラも少しずつ違うため、いずれも新鮮に楽しむことができます。ただ、マンガは原作、映画よりも銃や刃物での死傷シーンや性的描写が過激になっているため、実写版が平気だった方でも注意が必要です。