
4月12日(土)にバーレーン国際サーキットを舞台にF1直下シリーズ、FIA F2の第2戦スプリントレースが行なわれ、レッドブル育成のジョゼップ・マルティ(カンポス)が勝利を掴んだ。ARTグランプリの宮田莉朋は10位だった。
F2のスプリントレースは、日曜日のフィーチャーレースと比べ周回数が少なく、タイヤ交換義務がない。前日の予選では昨年のFIA F3王者であるレオナルド・フォルナローリ(インヴィクタ・レーシング)が最速タイムを記録したものの、スプリントレースでは予選上位10台がリバースグリッドとなるため、開幕戦のスプリントレースを制したジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)がポールポジションからスタートした。
2番手フロントロウには、F1バーレーンGPのフリー走行1回目にフェラーリから参加したディノ・ベガノビッチ(ハイテック)が並び、宮田は19番グリッドにつけた。なお、多くのドライバーがオプションタイヤを履いた一方で、フォルナローリや宮田などはプライムタイヤを選んだ。
気温28度、路面温度35度というコンディションの中23周のスプリントレースがスタートするとデュルクセンがホールショットを決め、ベガノビッチ、そしてラファエル・ヴィラゴメス(VAR)が続いた。
ただスタート直後には、各車がサイド・バイ・サイドで進入していったターン1でウイリアムズ育成のヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)は行き場をなくしてコース脇の看板を弾き飛ばし、セバスチャン・モントーヤ(プレマ)がターン7でスピンを喫してマシンを止めたため、早速セーフティーカー(SC)出動となった。
レースは5周目から再開。各所で激しいポジション争いが繰り広げられ、周回が進むと徐々にトップ2台が抜け出す形となった。そしてベガノビッチは11周目のターン1でデュルクセンとの差を詰めると、ターン4までのストレートでイン側に入り、そのまま抜き去った。
デュルクセンは先行を許した直後は1秒圏内で食い下がったが、唯一1分49秒台で走るベガノビッチは2番手以下とのギャップを少しずつ開いていった。
ただ23周目にレース2回目のSC出動。マックス・エスターソン(トライデント)がターン8でマシンを止めたことが原因だ。この時点でタイヤのデグラデーション(性能劣化)に苦しんでいたドライバーも少なくなく、ポイント圏外にいたドライバーの多くはピットでタイヤを履き替えるという選択を取った。
レースは19周目に再開。デュルクセンはこれを逆襲のチャンスを見て、ホームストレートでベガノビッチを抜き去って首位を奪い返した。しかしベガノビッチもタダでは引き下がらず、あの手この手でデュルクセンを攻め立て続けた。
ただ、その間に11番手スタートからポジションを上げてきたマルティと、5番手スタートのリチャード・フェルシュホー(MPモータースポーツ)もこのトップ争いに加わり、この2台が隙をついてベガノビッチを攻略した。
これで2番手に立ったマルティは、ファイナルラップのホームストレートですぐさまデュルクセンを交わし、トップに浮上。フェルシュホーもデュルクセンを抜いて2番手に浮上したが、マルティが逃げ切りスプリントレースを制した。
マルティにとってはF2キャリア2勝目。2位がフェルシュホー、3位にデュルクセンという表彰台の顔ぶれだった。
ピットでタイヤを変えたドライバーでは、アルピーヌ育成のガブリエル・ミニ(プレマ)が8位で入賞。宮田も同様の戦略で10位でチェッカーフラッグを受けたが、スプリントレースは上位8台のみにポイントが与えられるため入賞とはならなかった。宮田はレース最終盤にマクラーレン育成のアレクサンダー・ダン(ローディン)と接触するというシーンもあった。