
バーレーン国際サーキットを舞台に開催されているF1第4戦バーレーンGP。2日目の予選セッションでは、マクラーレンのオスカー・ピアストリがポールポジションを獲得した。レッドブルの角田裕毅は10番手だった。
この前に行なわれたフリー走行3回目から現地は日没を迎え、サーキットを囲む照明が路面を煌々と照らす中、予選セッションがスタートした。気温26度、路面温度31度というコンディションで、比較的強い風が吹いていた。
■マクラーレンの好調は続く|Q1
18分間のQ1が始まると、アストンマーティンの2台とFP3でマシントラブルのあったニコ・ヒュルケンベルグからコースに姿を現した。
レッドブル勢もこの3台に続き、最初のタイム計測を行なった。しかしフェルスタッペンがターン14でタイヤをロックアップさせてしまいピットに戻り、角田も最終コーナーでのトラックリミット違反によって1分32秒096というタイムが抹消となるなど、マシンバランスの問題は解消できていないようだった。
一方で好調を続けるマクラーレン勢は、ランド・ノリスが1分31秒107で首位に立ち、オスカー・ピアストリが0.285秒差の2番手で続いた。
セッションが残り5分を切ると、ガレージに戻っていた各車がコースイン。Q1最後のタイム計測に挑んだ。
ここでマクラーレン勢はアタックを完了しなかったが、ノリスがそのままトップ通過。フェラーリのルイス・ハミルトンが2番手につけた。
バンカータイムを記録できず脱落圏内にいたレッドブル勢だったが、フェルスタッペンは1分31秒303をマークして3番手でQ2へ。角田はフェルスタッペンから0.448秒遅れだったものの、14番手で上位15台に踏みとどまりQ2へ進んだ。
ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、15番手ヒュルケンベルグに0.042秒届かずQ1敗退。レーシングブルズのリアム・ローソンや、ザウバーのガブリエル・ボルトレト、アストンマーティンのランス・ストロール、ハースのオリバー・ベアマンが姿を消した。ローソンはDRSが正しく機能しないトラブルを抱えていたようだ。
■角田裕毅、危機一髪|Q2
15分間のQ2が始まると、角田を先頭に各車がコースイン。1周のウォームアップを経て新品タイヤでアタックへと入った。
しかしターン3でハースのエステバン・オコンが激しいクラッシュを喫したことでレッドフラッグが提示され、セッション中断。角田はタイム計測を中断せざるを得なかった。
8分の中断を経てQ2再開。ここまでタイムを計測できていたドライバーはおらず、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリから続々とコースへ戻っていった。
ユーズドタイヤと新品タイヤで各車の選択が異なる中、ピアストリが1分30秒454でトップタイム。ノリスが1分560で2番手、ルクレールが1分31秒056で3番手につけた。トップ3台はいずれも新品タイヤだ。
14台とは異なり、角田はセッション再開後も唯一ガレージ内で待機することを選び、残り5分を切ったところで新品タイヤを履いてコースイン。一度ユーズドタイヤでコースインしつつもタイム計測を行なわなかったフェルスタッペンも新品タイヤに履き替えて角田に続いた。
前戦日本GPで角田はユーズドタイヤから新品タイヤに切り替える走行プランでウォーミングアップが上手くいかずQ2敗退を喫しており、今回はまずQ3進出を目指し、新品タイヤでの感覚を損なわないようにするため、こうした選択を行なったとも考えられた。
角田は1分31秒228で6番手に浮上。しかし、アルピーヌのピエール・ガスリーが後方で3番手にまでタイムを上げ、カルロス・サインツJr.も上位へ食い込んだことで角田のポジションは徐々に下がっていったが、10番手でギリギリ踏みとどまることができた。11番手でQ2敗退となったアルピーヌのジャック・ドゥーハンとの差は0.017秒差。Q2トップ通過のピアストリからは0.774秒差だった。
なおドゥーハン以下、レーシングブルズのアイザック・ハジャーとヒュルケンベルグ、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ、クラッシュのあったオコンがQ2敗退となった。
■ピアストリ、自身2度目のポールポジション獲得|Q3
ポールポジションを決めるQ3には、マクラーレンやメルセデス、フェラーリ、レッドブルが2台で進出し、ガスリーやサインツJr.もこの4チームに食らいついた。
12分間のセッションがスタートすると、新品タイヤを残していたメルセデス以外の8台がユーズドタイヤでコースイン。Q2に続き、Q3でも角田を先頭に各車がタイム計測へと挑んだ。
角田はまず1分31秒637のターゲットタイムをマーク。フェルスタッペンがセクター1で大きくタイムを落として後方に沈んだ一方で、メルセデス勢やフェラーリ勢、マクラーレン勢が上回っていき、角田は7番手につけた。
10台がQ3最初のタイム計測を終えた時点では、ピアストリが1分30秒233でトップ。新品タイヤを履いて2番手につけたラッセルを0.131秒上回った。なお、アントネッリとハミルトンはトラックリミット違反によってタイム抹消となった。
一度ピットに戻った10台は、残り4分を切ったところでコースイン。全車とも新品タイヤを履いてQ3最後のアタックへと入っていった。
ここでも角田からタイム計測を開始し、1分31秒303をマークしたが、他9台の改善幅は大きく、各車がコントロールラインを通過するたびにポジションが下がっていった。
アントネッリやルクレール、ラッセルがトップタイムを更新し合うも、隊列の後方でアタックをしていたピアストリが1分29秒841を叩き出して1番時計。ノリスはターン1でのミスが響き、最終的なポール争いに食い込むことができなかった。
結果的に、ピアストリが唯一の1分29秒台で自身2度目のポールポジションを獲得。ラッセルがピアストリから0.168秒差の2番手、ルクレールが0.334秒差の3番手となった。新人アントネッリは4番手と奮闘。ガスリーは5番手に食い込み、ノリスを退けた。
レッドブルはフェルスタッペンを持ってしても7番手止まり。サインツJr.とハミルトンを挟んで角田が10番手となった。
角田としては、フェルスタッペンから0.880秒遅れとなり、Q2通過タイムよりもQ3での最終的なタイムが遅いという結果になった。しかし少なくとも、前戦日本GPでは達成できなかった予選Q3進出という1ステップを踏むことはできた。