“並ばない万博”のはずが、早くも入場ゲートで大行列「並ばん言うてたのに、どないなってん?」と不満の声「並ぶのは覚悟の上、楽しみ!」との期待の声も

4月13日、ついに開幕を迎えた大阪・関西万博。事前予約制などを導入した「並ばない万博」を前面に打ち出していたが、開幕日とあって開場時間の午前9時には、入場ゲート前に長蛇の列ができていた。会場最寄り駅にもブルーインパルス(雨天中止)を一目見ようと人だかりができるなど、会場周辺の夢洲は朝から熱気に包まれた。

開幕直後、いきなり大行列

大阪・関西万博がついに開幕した。

地下鉄に乗車し、万博会場となる人工島・夢洲に到着すると、開場時間の午前9時には、すでに入場口の東ゲート前に長蛇の列ができていた。

スマホを利用した事前予約制、キャッシュレス決済などを導入したことで「並ばない万博」を前面に打ち出していた日本博覧会協会だったが、開幕前の3日間、大阪府民ら計9万8000人を無料招待したテストランでは、混雑時に入場まで1時間半かかるなど課題が残っていた。

そこで大阪府の吉村洋文知事は改善策として、混雑に応じて開場時間を前倒しするよう協会に要請していたが、この日、開場時間となる午前9時前の入場口東ゲートには多くの人が列をなしていた。

それでも来場者からは期待の声があがった。

「2歳になる息子がミャクミャクが大好きで、ミャクミャク限定グッズを買うために来ました。地元で万博が開幕するなんて、二度とない機会だなと思って。

テストランのときは1時間半並んだと聞いていたので、今日もめっちゃ並ぶんかなと思ってたんですが、まだ並んで40分程度で入場ゲートが見えてきたので、意外にすんなり入れそうで安心してます」

一方、来場者のなかには、シャツにポーチ、ネイルに靴下とミャクミャクグッズで全身スタイリングした“ガチ勢”の姿も。

「開幕前からすごい楽しみにしてました。開幕日やしネットショッピングで集めたミャクミャクグッズを身に着けてきたんです。万博やから並ぶのは覚悟のうえで、ショーもグッズもご飯もパビリオンも楽しみたいと思います」(奈良県在住、20代女性)

お祭りムードの様子で、荷物検査を終えると駆け足で会場内に入っていった。

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「どんだけ並ばすねん(笑)」の声も

開幕日とあって14万人超の来場者が見込まれたこの日。「10時入場」「11時入場」と時間枠で区切られた列の中では午前9時の段階から待機する人の姿もあり、待ち時間を考慮して日傘をさしたり、持参した椅子に腰をかけるなどしていた。

開幕直後からいきなりの長蛇の列に11時枠入場で孫と2人で訪れた大阪市内の70代女性は、はしゃぐ孫の横で苦笑いの様子だった。

「孫がミャクミャク好きで、『どうしても行きたい』言うから、混まんうちに早めに行っとくかと思ったら激混みやん(笑)。“並ばない万博”言うとったのに、どんだけ並ぶばすねん(笑)。もう足痛いわ~」

入場ゲート前の列に加わるまではいくつかの地点に誘導されるのだが、「どないなってんの、これ?」などぼやきとともに人だまりができる場面もあった。

それでも、兵庫県から来た50代男性は長蛇の列に理解を示す。

「開幕10日前ぐらいまで盛り上がってへんかったし、吉村知事も『並ばない万博』をうたってたけど、開幕式直前ぐらいから一斉にメディアが報道し始めたのもあるんか、やっぱり並びましたね(笑)。70年万博も暑い中、めっちゃ並んだっていうし、安全に会場に来られただけマシですね」

会場内に入ると、各パビリオンの前には予約制とはいえ、基本長蛇の列が並び、コンビニや飲食店前、また大屋根リングにのぼるエスカレーターの前にも順番待ちで列をなしていた。

1杯3850円(税込)で話題の「えきそば」を販売する「まねきフューチャースタジオジャパン」の前には、雨の中、傘を差しながら長い列ができた。昼食どきを過ぎた午後2時半の時点で2時間待ちだというが、列に並ぶ大阪府在住の60代パート主婦はいう。

「雨が降ってきて寒くなってきたんで温かい食事を求めて辿り着きました。まぁ並んでるけど、この程度ならしゃーないと思って15分ぐらい並んだら、整理券をもらうためだけの行列でした(笑)。呼ばれるまでに2時間以上かかるらしくて…。高いけど、記念やと思って食べてみます」