
F1バーレーンGPの予選で、最速のマシンであるマクラーレンMCL39を駆りながら6番手に終わったランド・ノリスは、何が問題だったのかと問われ、自分の胸を指差した。
ポールポジションを獲得したチームメイトのオスカー・ピアストリからコンマ4秒差で予選を終えたノリスは、遅れた原因はマシンではなく自分にあると語ったのだ。
「それは毎周のことだった。正直に言ってね」
ノリスはmotorsport.comを含むメディアに対してそう語った。
「大きな不満はないよ。マシンは素晴らしい。シーズンを通して最高の状態だ。力強いしね。ただ、この週末はずっと調子が悪かった。理由は分からないけど、今のところはコース上で全くの手探り状態だ。分からない。根本的にリセットする必要がある。それだけだよ」
その後、チーム代表のアンドレア・ステラはノリスを擁護。ノリスとチームは、彼がより快適にマシンをドライブできるように取り組まなければいけないと語った。
マクラーレンのMCL39は速い。速いがノリスは以前から、彼本来のドライビングスタイルに合うタイプのマシンでは無くなりつつあることを示唆していた。
「これは短いフェイズになる。オスカーとともにマクラーレンをトップへと導いてきたドライバーについて話しているんだ」
「クルマを限界までプッシュしていると、思い通りにいかないことがいくつかある。Q3でコンマ1秒でも上を目指すと、それが顕著に表れる」
「それが何なのかは理解している。ただ、ランド自身が少し適応し、チームも少し適応する必要がある。理解は深まっていると思うし、解決されるだろうと楽観視しているよ」
ノリスはチームやマシンに原因を求めるのではなく、自分の失態を責めた。そして同様に、チームもノリスを責めるのではなく、優勝を争えるチームへと成長するのに貢献したドライバーをどうすればより良くサポートできるかを自問するつもりだ。
「自己批判をする上で強調しておきたいのは、ランドがチームに矛先を向けているのを本当に見たことがないということだ」
「F1チームを作り上げるには、ドライバーとチームの間でこのような指の指し合いを避ける必要がある。ときどき読んだり聞いたりする情報では、すべてのドライバーがそうしているとは限らない。これは非常に重要な資質だ」
「Q3でラップをまとめられなかった時、ランドがその責任を被ってくれたことには感謝している。しかし、我々は常にその責任をシェアしている」
「ランドがもっと快適にマシンに乗れるようにするために、もっとできることがいくつかあることは分かっている。私のアプローチは、まず鏡を見てこう言うことだ。『ランドをもっと快適にして、彼の素晴らしい才能を発揮できる状態にするためには、どうすればいいか?』とね」
ステラ代表はノリスの反応から、ドライバーズタイトルを獲得する絶好のチャンスを生かすプレッシャーを感じているのではないかと考えているようだ。
「これはこれまでで最大のチャンスだ」
「私はマクラーレンで、今後チャンピオン争いに加わるチャンスが毎年あることを願っている」
「同じように自己批判的なドライバーはいると思う。だがそういうドライバーはそれを自分だけのものとし、他の世界との間にスクリーンを置く。ランドにはそのような特性はなく、彼はとても自然体で正直だ」
ステラ代表は、バーレーンでのノリスの予選での苦戦は、彼の力強いロングランペースとは無関係だと考えており、決勝レースでは追い上げるはずだと期待している。
「これはレースペースには影響しない。レースが楽しみだ。すでにプラクティスでは、ランドがレース走行シミュレーションで非常に力強いラップを見せていたと思う。ランドの上位復帰が本当に楽しみだ」