
ルサイル・インターナショナル・サーキットでMotoGP第4戦カタールGPのMoto3クラス決勝が行なわれた。優勝はFRINSA – MT Helmets – MSIのアンヘル・ピケラスだった。
カタールGPの予選では、日本人ライダーの山中琉聖(FRINSA – MT Helmets – MSI)がキャリア初のポールポジションを獲得。初優勝に向けて、絶好のポジションを確保した。一方でもうひとりの日本人である古里太陽(Honda Team Asia)は、12番手からのスタートとなった。
Moto3クラスの決勝は、まだ太陽の上っている時間帯での実施。気温は33度、路面温度が41度というコンディションでスタート時刻を迎えた。
ポールポジションの山中は、良いスタートを切ってホールショットを奪ったものの、2番グリッドスタートのジョエル・ケルソ(LEVELUP-MTA)によって先頭を奪われてしまった。
後方では12番手スタートの古里が上手く集団内を縫っていきポジションを大きくアップ。1周目は8番手周辺を争った。
先頭では山中がホームストレートでケルソを抜き替えし、トップへ浮上。ケルソ、ホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)、アンヘル・ピケラスの4番手までが、少し先頭集団として抜け出し始めた。
トップを取り返した山中だったが、後続のライダーのアタックも激しく、その後順位は度々入れ替わっていった。
トップ争いのバトルが続く間にダビド・アルマンサ(Leopard Racing)、古里、リカルド・ロッシ(Rivacold Snipers Team)の5番手集団が接近。その後アルマンサは転倒で隊列を離れると、古里が4番手でトップ集団に加わった。
残り9周、山中がルエダ達を抜いてトップに浮上するシーンがあった。しかしライバルを突き放すまでの速さはなく、加えてホームストレートでスリップストリームが良く効くこともあり、結局トップを維持し続けることが難しい状況となってしまっていた。
レース終盤はルエダが先頭を引っ張っていく展開。トップ5のポジション争いも激しくなっていたが、山中が残り5周で再びトップに返り咲いた。
山中はライバルのアタックからトップを守りながら残りラップを消化。ただ残り2周で3番手を走っていた古里が、ターン6で一気に前につける山中とピエラスふたりをオーバーテイク。一気に先頭に立った。
しかし山中もホームストレートで反撃。トップを奪い返してラストラップへ入った。
山中はターン6でラインを膨らませてしまい、ピケラスがそれを見逃さずにオーバーテイク。それをさらに古里が追い抜いていくという、ラストラップの攻防でポジションは次々と入れ変わった。
そして最後は古里、ピケラス、山中がもつれ合うようにフィニッシュラインを通過……0.009秒差と、僅差でピケラスがカタールGPを制した。2位は古里、3位は山中で、日本人ライダーによるダブル表彰台となった。
なおトップ集団を走っていたルエダは、レース残り2周でマシントラブルによってリタイア。これによりノーポイントに終わり、優勝したピケラスがランキング首位に浮上した。