
ルサイル・インターナショナル・サーキットでMotoGP第4戦カタールGPの決勝レースが行なわれ、マルク・マルケス(ドゥカティ)がポールトゥウィンを果たした。
予選ではマルク・マルケスが、今季開幕から4連続のポールポジションを獲得。スプリントレースもポールトゥウィンで制し、絶好調で決勝を迎えた。2番手には弟のアレックス・マルケス(グレシーニ)、3番手にはファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が並んだ。
なお胃腸炎によってスプリントレースを欠場したジョアン・ミル(ホンダ)だが、その後体調は回復。決勝レースは無事グリッドに並んだ。また負傷欠場の続いていたホルヘ・マルティン(アプリリア)が今回からついに復帰。14番グリッドから決勝に臨んだ。
ナイトレースとして行なわれるカタールGP。コースサイドの照明が暗闇を切り裂き、煌々とサーキットを照らす中で決勝レース開始時刻を迎えた。気温は27度、路面温度が32度というコンディションだ。
全22周で争われる決勝が始まると、ポールシッターのマルク・マルケスがまずまずのスタートを切ったものの、ターン1で挙動を乱し、軽い接触が発生。その隙に4番グリッドのフランコ・モルビデリ(VR46)がターン2で先頭に浮上した。
1周目を終えて、トップ5はモルビデリを先頭に、マルク・マルケス、アレックス・マルケスの兄弟、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)、マーベリック・ビニャーレス(テック3)という並び。またフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が11番グリッドから6番手まで大きくポジションを上げた。
トップを行くモルビデリは2周目から2番手のマルク・マルケスを相手に逃げを打った。4周目には2台の差は1秒まで広がり、マルク・マルケスが置いていかれる展開となった。
また4周目には3番手を争っていたジャンアントニオとアレックス・マルケスがターン12で接触。ふたりは転倒こそしなかったが、大きくポジションを下げた。なおこのインシデントによって、アレックス・マルケスにロングラップペナルティが科された。
そしてこのふたりが後退したことで、バニャイヤが3番手に浮上した。
3番手に浮上したバニャイヤは、前を走るチームメイトを狙っていき、5周目ホームストレートでオーバーテイク。続けて先頭のモルビデリとの間にある1秒差を削りにかかった。
ただバニャイヤは7周目、スリップストリームを活かしたマルク・マルケスにやり返されてしまい、再び3番手に後退。その間に4番手のビニャーレスも食らいついてきた。
ビニャーレスはバニャイヤの真後ろにつくと、最終コーナーでインを突いてオーバーテイク。表彰台圏内にKTM勢が加わった。
ペースの良いビニャーレスは、10周目にターン1でマルク・マルケスもオーバーテイク。2番手までポジションを上げた。この時点でトップのモルビデリとの差は0.2秒ほどだった。
勢いの止まらないビニャーレスはモルビデリとのギャップをすぐに削り、11周目のホームストレートでついにトップ浮上。モルビデリはここでマルク・マルケス、バニャイヤにもオーバーテイクを許してしまった。
ビニャーレスは先頭に立つとさらにペースアップ。マルク・マルケスも同じようにペースを上げ、約0.3秒差と付かず離れずの位置でビニャーレスをマークし続ける展開が続いた。
14周目、ターン12でマルティンが転倒してしまった。まだ怪我が完治していない中、転倒による悪影響が無いかが心配された。
レースが終盤に差し掛かるにつれ、マルク・マルケスは先頭ビニャーレスに徐々に接近。そして16周目のターン6でビニャーレスがクリップにつけなかった所を一閃……先頭が入れ替わった。
ビニャーレスは2番手に落ちたあとリズムが乱れ、一時的にペースダウン。先頭のマルク・マルケスとの差は、残り5周で1秒まで広がった。
マルク・マルケスはファステストラップも記録しつつトップを快走。ビニャーレスに1.5秒差をつけてラストラップに入ると、そのままトップチェッカー。自身が比較的苦手とするカタールで、2014年以来の勝利を挙げた。
2位はビニャーレス。KTM陣営に今季から移籍して、わずか4戦目にして早くもトップ3フィニッシュを果たした。ただビニャーレスはタイヤ内圧違反の疑いで審議対象となってしまった。
3位は11番グリッドから追い上げたバニャイヤ。優勝とはならなかったが、チャンピオンシップ争いにおけるダメージは最小限に抑えられたと言えるだろう。
日本人ライダーの小椋藍(トラックハウス)は、10番グリッドからスタートし、序盤はトップ10を争った。しかし徐々に後退し、最終的には15位とポイント圏内ギリギリでのフィニッシュとなった。