サインツJr.はバーレーンGPリタイア「ユウキとの接触で僕のレースは終わってしまった」

 F1バーレーンGPの決勝レースで、ウイリアムズのカルロス・サインツJr.はレッドブルの角田裕毅と接触し、サイドポンツーンの側面に大きな穴を開けてしまった。このダメージによりサインツJr.は最終的にリタイア。レーススチュワードはこの事故について審議を行なったが、いずれのドライバーにもペナルティを科さない判断を下した。

 サインツJr.は、今季最高のスタートを切ることができたため、レースをリタイアで終えなければいけなかったことを悔やんだ。

「今日は良いバトルができた。同時に、本当に良いスタートを切った後、常にラップごとにコンマ2〜3秒速いマシンと戦っているように感じた。だからこそ、彼らについていきたい、DRS圏内に追いつきたい、タイヤをもう少し使いたいと思った。そして少し遅れ始めてしまった時にも、もう一回同じようなことをやりたいと思ったんだ」

 そうサインツJr.は語った。

「ルイス(ハミルトン/フェラーリ)、キミ(アントネッリ/メルセデス)、そしてユウキと並んで走るのは、少しフラストレーションが溜まる状況ではあったよ。でも、彼らについていこうと全力を尽くした。ある時点までは追いつけそうに見えたけど、その後はペースが落ち始めてしまった」

「第2スティントで全員がニュータイヤに履き替えると、ミディアムタイヤでペースを取り戻すことができた。そしてユウキを追い抜こうとしたんだ」

 そして30周目。サインツJr.はターン1で角田のインに鋭く飛び込み、オーバーテイク。しかしこの時に両者は接触し、サインツJr.のサイドポンツーンにはダメージが及んだ。

「ターン1への飛び込み、そしてそこからの脱出で、良い動きができたと思う。その時ユウキはコントロールを失い、彼のリヤタイヤが僕のサイドポンツーンに接触し、大きなダメージを受けたみたいだ。それで僕のレースは終わってしまった。ダウンフォースを40〜50ポイント失ってしまい、1.5秒もラップタイムが遅くなってしまったんだから」

 ただサインツJr.は、バーレーンGPで見せることができたパフォーマンスに、大いに自信を持っているようだ。

「予選は良かったし、スタートも良かった。しかもこのマシンで、2回連続で良いスタートを切っている。1周目のアタックも良かったし、ペースもまずまずだった。ただ今週末のアルピーヌは、僕らにとって強すぎる存在だった」

「トップチーム8台とアルピーヌ2台を合わせれば、それだけで入賞圏内が占められてしまう。命懸けで戦ってきたけど、確かに速さは足りなかった。学ぶべきこともたくさんあったよ。そして良いスタートだったし、クオリティも良かったので、正しい軌道に乗っていると思う」

「今度の週末は、もう少しまとまった形で臨めるといいなと思う。そして同時にマシンを少し改良して、アルピーヌの(ピエール)ガスリーと(ジャック)ドゥーハンに追いつけるようにしなきゃいけない。バーレーンでの彼らは、僕らとは別のリーグにいるみたいだった」